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会場変更も。タフなスーパーラグビーで中野将伍が思うことは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
手応えと課題を語った(著者撮影)

 国際リーグのスーパーラグビーを統括するサンザーは2月28日、日本から参戦するサンウルブズが3月に行うホームゲームの会場変更を発表した。世界各地で感染が広がる新型コロナウイルスの影響を受けたため。

 3月8日に大阪・花園ラグビー場で開催予定だったブランビーズ戦は、3月6日に日程が変更。オーストラリアのニューサウスウェールズ州ウーロンゴン(WINスタジアム)で、ワラターズ対チーフス戦がおこなわれる前に実施されることとなった。

 また3月14日に東京・秩父宮ラグビー場で予定されていたクルセイダーズ戦は、同日、

おこなわれることとなり、に会場変更し、オーストラリアのブリスベン(サンコープスタジアム)でレッズ対ブルズ戦に先立ちおこなわれる。

 サンウルブズを運営するジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOは、目下海外遠征中の大久保直弥ヘッドコーチらに「この決断は選手のコンディショニングを思ってのこと、またこういう変更もスーパーラグビー(のひとつ)だという話を選手にして欲しい」と伝えた模様。リーグのタフさを伝える言葉については、こう言葉を足した。

「たとえば先日のチーフス戦(2月15日、秩父宮)後、ずっとロッカールームで時間をつぶしてそのまま(遠征に向け)空港へ行きました。しかし間延びすると皆、退屈なわけです。なかには『何でずっとここにいなきゃいけないんですか』と聞く選手もいましたが、『スーパーラグビーだ』言われるが「これ」と。過去には(遠征先の)キャンベラから帰ってくる時、足止めを食らったこともある。ラグビーだけじゃないところも含め、色々なことがある」

 このタフなコンペティションには従来、多くの日本代表やその予備軍が参加。その延長に、昨秋のワールドカップ日本大会での日本代表の初の大会8強入りがあった。今回は国内リーグとの日程調整などで諸問題が生じ、日本人の多くは代表未経験者。その1人として注目されるのが、早稲田大学4年の中野将伍である。

 身長186センチ、体重96キロという恵まれたサイズの日本人センターで、17―43と敗れたチーフス戦では初トライをマーク。持ち前のフィジカリティを活かし、海外出身者も多く加わる日本代表のセンター争いに挑みたいという。

 チーフス戦後にその思いを語っており、自軍で主力センターとなっている元イングランド代表のベン・テオを手本にしていると発した。この時は会場変更などが決まるよりも前だったためプレー面のみの話題に止まったが、期待の新星の現在地がわかる。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――トライシーンは。

「外のスペースでコミュニケーションを取って攻めて、いいサポートができて…。最後にボールをもらった時はトライまで持っていくつもりで走りました」

――開幕戦で課題を残した防御は。

「きょうは横とのコネクションを保ちながら…という意識。ちょっとずつよくなってはきている。今後はもっとドミネート(タックルで圧倒)できるようになっていきたい」

――スーパーラグビーでの感触は。

「フィジカルの面はポジティブに捉えていて、負けるという感覚はないんですが、思いっきり勝っているという感覚もない。

 フィジカルで勝負したい。そういう面ではサイズを大きくするのも考えのひとつと捉えています。ただ、いきなり増やして身体がついてこないのもよくないので、少しずつ…。

 これからはもっと身体を大きくしながら、ボールをもらう時のスピードをつけないと、ラインブレイク、突破にはつながらないと思います。日頃の練習からそこを意識しながらやるしかないです」

――日本代表入りへは。

「そこを目指していきたい。チームにはベン・テオがいる。球のもらい方、抜けだした時のオフロードのうまさ(を学びたい)」

 29日、ニュージーランド・ネーピア(マクレーンパーク)でのハリケーンズ戦で初先発を果たす。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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