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週末は再び荒天「関東は土曜日の夕方から夜にかけて、風と雨が強まる恐れ」

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
20日(土)夜は関東で風と雨が強まりそう(写真:ロイター/アフロ)

今週末も春の嵐に注意・警戒

先週末は発達する低気圧や前線の通過により、各地で強い南風(春一番)が吹き荒れるなど、大荒れの天気となりました。

こちらも参照なさって下さい。

そして、今週末も発達する低気圧の影響で荒れた天気となる恐れがあります。

ただ、荒天となるタイミングが少し違い、先週末は主に日曜日でしたが、今週末は主に土曜日(20日)となりそうです。

関東地方に関して言えば、土曜日の夕方~夜にかけてピークとなり、ザーザー降りの雨に加え、沿岸部を中心に南風もかなり強まる見込みです。

交通機関に影響が出ることも考えられますので、十分な注意が必要です。

低気圧が西日本の南岸から関東を通過へ

低気圧が発達しながら西日本~北日本へ。(18日午後の段階での予想)
低気圧が発達しながら西日本~北日本へ。(18日午後の段階での予想)

今週末、春の嵐をもたらす低気圧はあす金曜日に東シナ海で発生し、発達しながら土曜日の日中、西日本の南岸を通過する見込みです。

そして、夜には関東付近を通過し、日曜日の朝にかけて、東北~北海道の東へ進む予想です。この低気圧に向かい南から湿った空気が勢いよく流れ込むため、低気圧の周辺では雷を伴った激しい雨が降り、落雷や突風などの恐れもあります。

また東北地方では山でも雨となりますが、北海道では平地を含めて湿った雪が降り、大雪となりそうです。吹雪にも警戒が必要です。

18日の段階で予想されている主に注意・警戒が必要な時間帯は以下の通りです。

西日本:20日(土)朝~夕方にかけて。

東日本:20日(土)昼過ぎ~夜遅くにかけて。

東北:20日(土)夕方~21日(日)朝にかけて。

北海道:20日(土)夜~21日(日)日中にかけて。

関東地方は、土曜日の午前中から雨が降り出し、午後には本降りとなるでしょう。

また次第に南風も強まり、低気圧が通過する夕方から夜にかけては、雨と風がピークとなり、千葉や神奈川、東京23区など、南部の沿岸部では瞬間的に20~25メートル以上の南風が吹き荒れる恐れもあります。

類似の気象状況は2年前の3月にも

今回のような低気圧による荒天は度々ありますが、近年、時期的に近いものを探すと、2014年3月13日~14日にかけての状況に比較的よく似ています。

この時も低気圧が発達しながら西日本~関東を通過し、春の嵐となりました。

気象庁「天気図」をもとに国立情報学研究所「デジタル台風」が作成したものに加工
気象庁「天気図」をもとに国立情報学研究所「デジタル台風」が作成したものに加工

低気圧が関東を通過したのは、13日(木)夜で、今回の予想と同じく、夕方~夜にかけて荒天のピークとなりました。

東京は午後6時47分に、最大瞬間風速、南の風20.6メートルを観測し、ザーザー降りの雨とともに強風にも見舞われました。また南風の影響で、最高気温は午後9時39分に18.2℃まで上がっています。また、千葉県では最大瞬間風速が25メートルを超えるなど、交通機関にも影響が出ました。

今回は上空の流れや南からの暖気の突っ込みなどを考えると、この時以上に荒天の度合いが大きくなる恐れもあります。

今後、気象庁から発表されるであろう防災情報にくれぐれもご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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