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【JAZZ】守屋純子オーケストラ2015年定期公演 Big Band Plays Hard Bop!

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
守屋純子オーケストラ2015年定期公演
守屋純子オーケストラ2015年定期公演

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、守屋純子オーケストラの2015年定期公演。

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守屋純子オーケストラは、2000年に芸術文化振興基金の助成を受けることで活動をスタートさせた日本を代表するビッグバンド。2001年にアルバム『シフティング・メージズ』をリリースして以降も定期的な公演を欠かさず、毎回テーマを変えながら意欲的な活動を続けている。ちなみにオーケストラ名義のアルバムは2005年の『ポインツ・オブ・デパーチャー』、2009年の『グルーヴィン・フォワード』、2012年の『イントゥ・ザ・ブライト・ディケイド』と、着実に枚数を重ねている。

今年は“Big Band Plays Hard Bop!”と題して、2014年に亡くなったホレス・シルバーの作品を中心に取り上げる予定。

ハード・バップのオリジネーターへのリスペクトをビッグバンドで具現

ホレス・シルバーは「アフリカ系ポルトガル人の系譜でカーボベルデ人の父にアイルランド人とアフリカの混血の母」のあいだに生まれたアメリカ人のピアニスト。

(カーボベルデとジャズとホレス・シルバーについては[訃報]ハード・バップを開拓しファンキーなピアノで魅了したホレス・シルバーさん逝去で触れているので参照してみてください。)

ジャズがもっともジャズらしいと言われるハード・バップというスタイルの中心にホレス・シルバーがいて、その意味を考えるきっかけを守屋純子オーケストラが与えてくれるーーというのが今回の定期公演の“課題”ではないかと考えている。

オーケストラ・アンサンブルへの編曲は、オリジナルでは溶け合って見えなかった部分をバラバラに解体し、再構築作業という意味合いが含まれる。

そこには当然、1950年代のハード・バップというジャズのスタイルと2015年のジャズという対立軸が生まれることになる。その軋轢から生まれるニュアンスこそが、守屋純子が問おうとしている“ハード・バップをビッグバンドがプレイする意味”ということになる。

……と想定したわけなのだけれど、想定どおりに収まらない、いや、収めようとしないのがジャズの流儀。それを楽しみにライヴへ出向くわけなのだ。

では、行ってきます!

●公演概要

2月20日(金) 開場18:00/開演19:00

会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(渋谷)

出演:守屋純子オーケストラ<守屋純子(ピアノ、アレンジ)、納浩一(ベース)、広瀬潤次(ドラム)、岡部洋一(パーカッション)、近藤和彦(アルト・サックス、ソプラノ・サックス、フルート)、緑川英徳(アルト・サックス)、岡崎正典(テナー・サックス)、アンディー・ウルフ(テナー・サックス)、宮本大路(バリトン・サックス)、エリック・ミヤシロ(トランペット)、木幡光邦(トランペット)、奥村晶(トランペット)、岡崎好朗(トランペット)、片岡雄三(トロンボーン)、佐藤春樹(トロンボーン)、東條あづさ(トロンボーン)、山城純子(バストロンボーン)

♪守屋純子オーケストラ/Junko Moriya Orchstra "A Touch Of Mingus"

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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