スコットランド代表戦撃破。田村優が明かす赤裸々な背景。【ラグビーあの日の一問一答】
後半2分までに28―7と大きくリード。最後は28―21と迫られながら、逃げ切った。
「もっと点も取れたし、前半の倍のスコアも取れた。でも、後に疲れが出た。本当に前半の貯金で逃げ切った」
10月13日、神奈川・横浜国際総合競技場。ラグビー日本代表の司令塔として出場の田村優は、この日のスコットランド代表との一戦をこう振り返っていた。
ワールドカップ日本大会で日本代表が初の8強入りを決めたこの試合は、4月11日の20時からラグビーワールドカップの公式 Facebook、YouTubeで再放送される。本稿では試合直後の田村の肉声を振り返る。
あわや乱闘というシーンもあったこの80分。取材エリアでの話題は、ベン・オキーフレフリーとのコミュニケーションに及んだ。
――試合中、よくレフリーに話しかけていました。
「僕がパスした後にタックルされたことが数回連続であった。その他、肘打ちもされているというのは伝えました」
――話は、聞いてくれていたのですか。
「聞いてくれていましたけど、彼(オキーフ)にもプレッシャーはかかっていた試合です。いい判断をしてもらうように(日本代表側からも)プレッシャーをかけていました」
―― 一時、相手とエキサイトする場面もありました。
「僕に肘打ちしてきたところでした」
ここまでの談話と実際のプレーを想像すると、日本代表は接点で比較的早く笛を吹くオキーフレフリーへの対応に苦慮していたとわかる。しかしチームはワールドラグビーから巡回のクリス・ポロックレフリーのアドバイスなどを受け順法精神を鍛えていた。
何よりショートサイドに立つスクラムハーフのグレイグ・レイドローにたくさんタックルさせるなど、綿密な分析内容を活かして絶え間ない攻撃を披露。田村はこうも振り返っていた。
――4年間で最も成長した点は。
「プラン通りにこういう試合を作っていけたのは大きいです」
――最後、守り切れたわけは。
「そこまで無茶苦茶脅威のあるアタックではなかった。10、15番(フィン・ラッセル、スチュアート・ホッグ)だけ止めれば特にそれ以外の強みが大きいチームじゃないので」
――次戦からは。
「毎週、決勝です。でも、もう、何も背負うものはない。楽しいラグビーができる」
――試合後、皆でチームソングのビクトリーロードを歌った時の気持ちは。
「言わなくてもわかるでしょう」