函館本線(山線)「長万部―小樽間は存続するべき」 BSフジ、5月5日正午から2時間の鉄道特番を放送
フジテレビの衛星放送「BSフジ」は、北海道新幹線の並行在来線である函館本線の長万部―小樽間の廃線問題を筆頭に、全国各地で問題が表面化しているローカル線について北から南までくまなく取材したドキュメンタリー番組を放送する。
番組名は、「今こそ鉄路を活かせ!地方創生の再出発」。放送日時は、2024年5月5日(日)12時から14時となる。
昨年、放送された番組では、北海道の函館本線、長万部―小樽間140.2kmはすでに廃止の方針が決まり、函館―長万部間112.3kmは協議中であると報じている。さらに、北海道と本州を結ぶ鉄道貨物輸送が途絶えることを危惧し、食料安全保障や有事の観点から国土交通省や防衛相を取材。函館本線は残すべきではないかと主張した。
その後、昨年7月に開かれた国土交通省、北海道庁、JR北海道、そしてJR貨物との協議会で、函館ー長万部間を貨物専用線として存続させることで合意。整備新幹線の平行在来線が、このような形で存続するのは初めてのことである。
しかし一方で、2024年4月1日、北海道の最長路線である根室本線、富良野―新得81.7kmが廃止され、2026年3月には留萌本線全線廃止、そして北海道新幹線札幌延伸の2031年度に函館本線、長万部―小樽140.2kmが廃止される。このまま鉄路を活かす対策を講じなければ、恐らく北海道は札幌近郊の鉄路しか残らないこととなる。そして、同様の形で全国の赤字ローカル線を廃止すれば、鉄路は都会にしか残らない状況となる。国策として「地方創生」が推し進められる中、この状況が続いて良いのだろうか?
そこで今回の番組では引き続き、いま全国のローカル線で何が起きているのかを、つぶさに取材。ローカル線の存廃問題は、いち地方の問題でなく、わが国の社会問題として考えるべき課題であることを、具体例を挙げながら考えるという。
番組プロデューサーメッセージ
プロデューサーの堀内雄一郎さんに話を聞いたところ、「JRは赤字ローカル線を排除し切り離したいということが本音。つまり完全民営化された会社の使命は利益の追求と株主への配当で、地域によっては公共交通機関の使命を放棄している路線すら見られる。公共交通機関の使命を論ずるのは過去の話なのだろうか。全国での取材を通じて、収支しか見ないJRと鉄路を守りたい自治体、住民との乖離がはっきり分かった。そして、明らかに失敗だった国鉄改革。これらにメスを入れながら『今こそ鉄を活かす』道を探るべく番組を制作した」と番組制作について振り返った。
(了)