創業元禄元年の老舗の銘菓「花恋の詩」はNHKドラマ・らんまんの故 牧野博士の想いを纏う
2023年NHKドラマ「らんまん」、ご覧になっている方も多いのではないでしょうか?神木隆之介さん演じる植物学者“故 牧野富太郎”氏のひたむきさと恋模様にやきもきしているという声も多く上がり、毎日の楽しみになさっている方も沢山。
こうしたドラマをきっかけに、登場人物ゆかりの地の銘菓が注目されることも少なくはありません。
創業1688年、高知県高知市に本店を構える和菓子屋「西川屋老舗」さんは、歴代土佐藩主など多方面から誉れ高く信頼の厚い老舗。小麦粉やお砂糖から作られる素朴な焼き菓子「ケンピ」や梅と紫蘇の香りが優雅な「梅不し」といった長い歴史を持つ銘菓を販売しておりますが、このほどらんまんをきっかけに、再度注目を浴びている和菓子があるんです。
今回は、牧野博士の『草を褥に木の根を枕、花と恋して九十年』という言葉から菓銘を配した「花恋の詩」をご紹介。
元々は、平成2年より「花と恋して」という名称にて販売されていたお菓子。この度のドラマ化より、よりたくさんの人たちに博士の偉業とこちらのお菓子を知ってほしいという願いが込められているのでしょうか、菓銘を変更して販売。
パイ菓子の中餡は、焼成されることに加え日持ちへの配慮等からぽろぽろとしたやや固めのものが多い印象ですが、こちらの中餡は非常にしっとり。折り重なった層のほろほろっとしたパイ皮とのまとまりもよく、こし餡の甘味とパイ生地のまろやかな脂質が口の中で綺麗に混ざり合います。
また、こし餡の食感ゆえに、混ぜこんである胡桃のこりこりとしたアクセントと香ばしさもきちんと感じることができて、パイのぱさついた感じが苦手という方にもおすすめできる和菓子ではないでしょうか。
日常に寄り添った和菓子、どこかほっとするような素朴な甘味の和菓子は、その普遍的な美味しさゆえに新商品などの陰に隠れてしまうこともなきにしもあらず。しかし、こちらのお菓子のように、旬の話題をうまい具合に取り込み、新しい年齢層の方をファン層に変えていくというのも、老舗の和菓子屋さんならではの得策だと思っております。
花恋の詩をいただきながら、ドラマの恋模様や植物への愛を貫く博士の姿を楽しむのもおすすめですよ。