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二刀流のトップ・プロスペクトが、まずは投手としてメジャーデビューへ。年齢は大谷翔平より1歳下

宇根夏樹ベースボール・ライター
タンパベイ・レイズの本拠地、トロピカーナ・フィールド Mar 28, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)より若い二刀流選手が、メジャーリーグに登場する。タンパベイ・レイズが、ブレンダン・マッケイをAAAから昇格させ、6月29日の試合に先発投手として起用する予定だ。タンパベイ・タイムズのマーク・トプキンらが、そう報じている。大谷は24歳、マッケイは23歳だ。

 2年前のドラフトで、マッケイはレイズから全体4位指名を受けた。過去2シーズンは、先発投手と一塁手の二刀流としてプレーしてきたが、今シーズンは守備にはつかず、投手とDHを務めている。今シーズンの投手成績は、AAとAAAの計13登板(11先発、2救援)で66.2イニングを投げ、6勝0敗、防御率1.22、奪三振率11.88、与四球率2.03。打撃成績は、計38試合で打率.205、出塁率.313、4本塁打だが、5月下旬にAAからAAAへ昇格後は、15試合で打率.265、出塁率.400、4本塁打を記録している。

 マッケイが野手としてメジャーデビューするのは、しばらく先のことだろうし――登板予定の6月29日はホームでテキサス・レンジャーズと試合を行うので、打席に立つこともない――ここからメジャーリーグで投げ続ける可能性も高くない。6月27日の試合は18イニングに及び、ケビン・キャッシュ監督は9投手をマウンドへ送った(ミネソタ・ツインズは10投手)。マッケイの昇格は、これによって発生した投手不足を補うためだ。オープナーを駆使しても、投手たちが投げる合計イニングが減るわけではなく、人数が必要であることは変わらない。

 ただ、将来、マッケイが二刀流としてメジャーリーグでプレーするようになれば、大谷とは違う、新たな起用法が生まれそうだ。現在のDHは一時的に負担と故障のリスクを軽減するためで、レイズはマッケイに一塁を守らせるつもりらしい。そうなると、一塁手として出場し、試合の途中から登板することもあり得る。

 なお、今回のメジャーリーグ初登板も、役割は先発投手ながら、マウンドに上がって投げるのは、オープナーに続く2番手かもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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