【ライフログ】NHK首都圏ニュースでも話題になったライフログ。今までの流れをおさらいしておきます
10/16放送のNHK首都圏ニュースでは、手帳でライフログというテーマが取り上げられていました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20241016/1000110032.html
さてでは、なぜ今手帳でライフログなのか。ちょっと整理してみたいと思います。
こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家・歌手の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。
デジタルツールに端を発する
そもそものライフログの考え方が登場したのは2000年代後半ですね。
『ライフログのすすめ』(ゴードン・ベル ハヤカワ新書 原著は、2009年発行。原題は「TOTAL RECALL」。ちなみに序文は、ビル・ゲイツ。日本版刊行は2010年)ですでに出ていた考えです。ちょうどスマートフォン出現前後(iPhone発売は2007年 日本では2008年)のころです。
日々の中でなにをどう過ごしていたかを、テーマを決めて記録するのがライフログと言えます。たとえば食べたものや、やったこと、睡眠時間などをデータ化して記録することですね。
これが、手帳に流れてきたのが現在だと言えます。
デジタルツールの用途の1つとしてライフログという考え方が生まれ、とくに日常的に携帯できるスマートフォンでのアプリという形でそれが実現された経緯があると考えています。
そもそも、スマートフォン用には、ライフログ用アプリがかなり早い時期から存在していました。それはたとえば特定の時間になにをやっているかの記録です。
また、カメラロールの写真もひとつひとつは単なるカットですが、複数枚を連続して見ることで時間の流れやそのときにやったことを振り返ることができる点でライフログだと言えます。さらに、Googleマップの移動履歴も、移動の軌跡の可視化データ化した点でライフログですね。これらはスマートフォンの出現ではじめて可能になったことだと言えます。
同時に、それがアナログツールでもっとソフトに実現できることが発見されました。
「ジブン手帳」(コクヨ)のような、細かな時間軸を持った手帳で、予定と同時に日々の生活の記録をするという流れが文房具・手帳の世界にもひろまったといえます。
上記のデジタルのライフログも、日々の生活を記録して見直すという点では、現在のアナログツールでやられていることと考え方としては同じです。
ライフログの考え方が生まれたわけは?
なぜライフログかという点ですが、主にデジタルの記録ツールの普及・発達により、過去の時間をより意識しやすくなって来たことが理由にあると思われます。
過ぎた時間のことはあまり意識しません。ところが、メールや写真などの過去の記録があると、それを意識するようになる。これがデジタルのアプリになり、手帳にもその考え方が適用されるようになったと私は見ています。
手帳への応用までの流れ
手帳(紙の記録媒体)については、もともと日記という形で記録をする利用目的がありました。専用の日記帳以外にも、予定欄以外の所に、その日のできごとなどを書く文化はあったわけです。
そして、コロナ禍によって予定の管理がデジタルツールに移行の流れが生まれました。それまで予定を書かれていた手帳の面がすっぽりあくことにもなったわけです。
そこに従来から一部の人には実践されていた手帳でのライフログの考え方が、大きくなって製品に流れ込んできたというのが現時点における「ライフログ用手帳」という考え方の原点だと考えます。
またそもそも、手帳は各種のペンやスタンプ、マステなど他の文具との相性がいい。デコる文化の考え方なども取り入れられました。
そして、メーカーが工夫をして現在のライフログ用手帳が生まれたと言っていいでしょう。
まずデジタルツールを使ったライフログの考え方があった。それが手帳に流れ込んだ。さらにコロナ禍で、手帳の予定記入欄が空きがちになった。そこで、空いた欄の活用方法として、そして各種文具の併用によって、より情緒的な情報の記録の面として活用されるようになったといえます。
この件は、今後ももう少し考えてみたいと思います。