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17戦全勝オールKOのサウスポー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME

 オープニングベルから1分27秒後、KO率100パーセントを誇るサウスポーの狙い澄ました左アッパーが、対戦相手の鳩尾に突き刺さる。黒いトランクスのプエルトリカンは、堪らずキャンバスに両膝をついた。

 同ラウンド2度目のダウン。レフェリーがカウント10を数えても、プエルトリカンは起き上がれなかった。

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 WBCスーパーライト級2位にランクされるゲイリー・アントゥアン・ラッセル(27)は、デビュー以来17連続KO勝ちを収め、パーフェクトレコードを更新。今回はファーストラウンド2分39秒でのKOだった。

 リオ五輪出場後にプロに転向し、順調に歩を進めるゲイリー・アントゥアン・ラッセル。この日の相手は16勝(10KO)3分けで、負け知らずのケント・クルズ(32)であった。

 ラッセルが奪った最初のダウンは左フック。これでクルズは深刻なダメージを負った。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 会心の笑みを浮かべながら、勝者は言った。

 「とてもいい内容だったね。序盤は、彼の動きをしっかりと見た。攻撃時に、ディフェンスの意識も忘れないようにと、練習を積んできた。初回KOって、予想以上の出来だね。

 必要以上にノックアウトに拘っていた訳じゃない。でも、1分半くらいで、そういう展開になった。もし、チャンスがあるならタイトルマッチがやりたいよ」

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 ラッセルが近い将来、タイトルに挑むのであればWBCになるか。IBFは14位に入っているが、WBAとWBOではランク外である。2団体は、今回の勝利をどう判断するか。

 SHOWTIMEが売り出しているだけに、いずれ大舞台が用意されそうだ。WBC7位にいるライアン・ガルシアと戦えば面白そうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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