17戦全勝オールKOのサウスポー
オープニングベルから1分27秒後、KO率100パーセントを誇るサウスポーの狙い澄ました左アッパーが、対戦相手の鳩尾に突き刺さる。黒いトランクスのプエルトリカンは、堪らずキャンバスに両膝をついた。
同ラウンド2度目のダウン。レフェリーがカウント10を数えても、プエルトリカンは起き上がれなかった。
WBCスーパーライト級2位にランクされるゲイリー・アントゥアン・ラッセル(27)は、デビュー以来17連続KO勝ちを収め、パーフェクトレコードを更新。今回はファーストラウンド2分39秒でのKOだった。
リオ五輪出場後にプロに転向し、順調に歩を進めるゲイリー・アントゥアン・ラッセル。この日の相手は16勝(10KO)3分けで、負け知らずのケント・クルズ(32)であった。
ラッセルが奪った最初のダウンは左フック。これでクルズは深刻なダメージを負った。
会心の笑みを浮かべながら、勝者は言った。
「とてもいい内容だったね。序盤は、彼の動きをしっかりと見た。攻撃時に、ディフェンスの意識も忘れないようにと、練習を積んできた。初回KOって、予想以上の出来だね。
必要以上にノックアウトに拘っていた訳じゃない。でも、1分半くらいで、そういう展開になった。もし、チャンスがあるならタイトルマッチがやりたいよ」
ラッセルが近い将来、タイトルに挑むのであればWBCになるか。IBFは14位に入っているが、WBAとWBOではランク外である。2団体は、今回の勝利をどう判断するか。
SHOWTIMEが売り出しているだけに、いずれ大舞台が用意されそうだ。WBC7位にいるライアン・ガルシアと戦えば面白そうだ。