ある打者が浮かび上がらせた、イチローの知られざるストリーク
6月16日、アダム・ジョーンズ(ボルティモア・オリオールズ)が3安打を放ち、シーズン安打を80本とした。それを受け、スタッツ社はツイッターに「オールスター・ゲームまでに80安打以上の連続記録/ア・リーグ歴代トップ5」を載せた。
それによると、ジョーンズはロベルト・アロマーの11年連続(1991~2001年)に追いつき、ア・リーグ歴代4位タイにランクインしたという。すぐ上の3位には12年連続(2006~17年)のロビンソン・カノー(現シアトル・マリナーズ)――薬物陽性反応の出場停止によって今シーズンで途切れる――がいて、トップには13年連続のネリー・フォックス(1951~63年)とイチロー(2001~13年)の2人が並ぶ。
気になるのは、ア・リーグ記録としている点だ。ということは、ナ・リーグあるいはリーグをまたぎ、さらに長い記録を作った選手がいるのか。それとも、フォックスとイチローが最長であることに変わりはないものの、カノーと並ぶ選手が何人かいて、ジョーンズをトップ5に入れるため、範囲をア・リーグに絞ったのだろうか。
候補としてすぐに思い浮かぶのが、アルバート・プーホルス(現ロサンゼルス・エンジェルス)だ。調べてみたところ、やはりそうだった。イチローと同じく2001年にメジャーデビューしたプーホルスは、そこからオールスター・ゲーム前の80安打以上を16年続けた。ちなみに、昨シーズンの前半戦は79安打だった。
先日、「殿堂入り間違いなしのスラッガーが、8年ぶりにかつての本拠地へ帰ってくる」でも書いたとおり、プーホルスは2011年のオフにFAとなり、ナ・リーグのセントルイス・カーディナルスを去って、ア・リーグのエンジェルスへ移った。
フォックスとイチローのストリークが、ア・リーグ最長であって、メジャーリーグ最長ではないことはわかった。プーホルスを上回る選手がいるかどうかについては、ジョーンズがプーホルスに並んだ時に調べようと思う。いや、わざわざ調べなくても、スタッツ社がツイートしてくれるだろう。
なお、ジョーンズは2011年以降、どのシーズンも25本以上のホームランを放っている。これは、継続中では最長の記録だ。今シーズンはここまで10本塁打。このペースだとぎりぎりだが、8年連続に伸ばせるだろうか。今オフ、ジョーンズはFAとなる。