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【泉南市】心の琴線にふれるイマジネーションの世界。『第62回泉南美術展 』開催中!

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉佐野市など)

2022年4月21日(木)から24日(日)まで、泉南市立文化ホール『第62回泉南美術展』 洋画・日本画の絵画展が開催されています。

広報の公募から選出された2名を含め、泉南市や阪南市にお住いの美術協会会員の方々の洋画・日本画など68作品を展示。

個性豊かな芸術作品は、訪れる人たちの目を楽しませています。

入口近くのショーウインドーやパネルボードにもずらりと並ぶ作品の数々。

風景を描いた作品や、鮮やかな色づかいのポップな作品も多数展示。

展示会場は広く、密を気にせず心ゆくまで作品を堪能できます。

会場へは、感染対策をしてお越しくださいね。

ふと、目に留まったこちらの作品たち。何の画材で描かれているのかな?

油絵にしては淡く、水彩にしては奥深い色づかいが気になり、泉南市美術協会の林会長に尋ねてみたところ、「不透明水彩絵の具」というもので描かれた作品なのだそう。

調べてみると「不透明水彩絵の具」は、重厚で力強いタッチや優れた耐光性などが特徴とのこと。

油絵のような力強さもありながらどこか儚げな優しい色づかいは、春の日常を描いた作品にとてもマッチしていました。

絵を眺めているわたしに、作者の岡本 操さんが声をかけてくれました。

「あなた、鹿の生態に詳しい? 絵を見て何かおかしいと思わない?」

「全くわかりません、、、。」

「実は、春の鹿はツノがないのよ。」

そう言われてみれば、桜とツノの生えた鹿がアンマッチのような。

岡本さん曰はく、この絵は想像で描かれたとのこと。

実際に見た桜の風景と、仲良く遊ぶツノの生えた小鹿を描きたいイメージにあわせてドッキングさせたそうです。

絵画展に並んでいる絵は “写実的” なものばかりと思い込んでいたわたしは、「絵って自由なんですね!」と思わずありきたりだけど、率直な感想を口走ってしまいました。

岡本 操さん(お孫さんを描いたという作品の前で)
岡本 操さん(お孫さんを描いたという作品の前で)

川で遊ぶ家族や、カフェでの一コマなど。遠い異国を描いた作品もあり、ここに居ながらにして旅をしているような気分も味わえます。

「青の洞窟」筒井 規浦子さん(一般)作
「青の洞窟」筒井 規浦子さん(一般)作

「生きる」南 典子さん(一般)作
「生きる」南 典子さん(一般)作

「生きる」というタイトルがいいですね。成長しすぎた白菜でしょうか?花が咲きかけています。画面から想像すると、あまり良い環境ではなさそうです。劣悪な環境での生命力を表現した作品に心打たれます。表現も自由ならば、受け止め方も自由。それが芸術のよいところだとあらためて感じます。

「雛人形」賀紋 康子さん(一般)作
「雛人形」賀紋 康子さん(一般)作

目にも鮮やかな可愛らしい作品。細かい描写も煌びやかに描かれていますね。

“人を描かせたらピカイチ“と林会長が絶賛されていた山岡 俊彦さんの「人物(Ⅱ)」。

まるで、目の前に女性が存在しているかのようです。

そしてこちらが林会長の作品「このはなさくやひめ」。

林会長の作品は、スケールが壮大で、絵に吸い込まれてしまいそうです!

(女性の目元に照明が反射してしまいましたが、実際はお美しいお顔をされています)。

こちらも林会長の作品「豊穣の女神」。

なんて甘美で魅惑的な絵なんでしょう。林会長の空想的で感受性豊かな精神を全身で感じる作品となっています。

林会長が講師をつとめる『第4回アトリエ新家絵画展』も5月に開催予定。

泉南美術協会 林 徹郎 会長。

気さくで、とても優しいお方。“絵画鑑賞” 素人のわたしに色々教えてくださいました。

「写真でも、絵でも、まずは芸術に触れてみてほしい」と会長は話されます。

当たり前だと思っていた日々も、いとも簡単に奪われてしまうような不確実な時代。

感性や美意識を高めて、心に栄養を与え、明日への活力につなげませんか?

みなさんも『第62回 泉南美術展』 洋画・日本画の絵画展に、ぜひ足を運んでみてください。

【基本情報】

『第62回 泉南美術展』 洋画・日本画の絵画展
入場料 無料
日時:4/21(木)~24(日) 10:00~16:30(最終日14:30まで)
場所:泉南市立文化ホール1F展示室
主催:泉南市美術協会
Tel:072-483-3762 / 080-3032-6289(林会長)

取材協力 泉南美術協会会長 林 徹郎様

ライター(泉佐野市など)

大阪府泉南市・泉南郡・泉佐野市担当。 なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちのまちのちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。みなさまの日常がもっともっと楽しくなりますように。 2023年2月、2023年5月、2024年9月MVA受賞

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