開店直後に予約で満席になる「お好み焼き店」があります。
開店30分前に待ち客でいっぱいになるこのお店は、ウェィティングボードに名前を記入(予約)し、順に席へ案内してもらうシステム。
それは、丁寧な接客を目指す上での工夫で、みるみるうちに空席が埋まってゆく様子から、この店の人気ぶりがうかがえます。

素材にとことんこだわる

創業30年「いろは満月」泉佐野店は、素材にとことんこだわるお好み焼き店。
たとえば、お好み焼きの命でもある「小麦粉」は、直接栽培契約を結んだ生産者の手によって作られた北海道産100％のものを。
ソースは、国産野菜・国産果物をたっぷり入れたオリジナルのソースを。また、使用頻度が高い油は、ビタミンEが豊富でコレステロール値を下げる働きもある国産米100％の米油を。そして、現在価格高騰中のキャベツは、甘みがあり、生でもおいしい泉佐野市「松波キャベツ」(＊)を使用しています。
＊季節により変わります。
ほかにも、焼きそばの麺は「自家製生麺」を使用し、オーダーが入ってから茹で上げるなど、そのこだわりっぷりは他店の追随を許さないほどスペシャル。

メニューのバリエーションが豊富

分厚い木にはさまれたビジュアルで魅せるメニュー表をパラパラとめくると、美味しそうなお好み焼きが目に飛び込んできます。懐かしさと新しさが融合した“重たいメニュー表”にほっこり。

定番の「トン玉」780円、「イカ玉」780円、「スタミナ焼」1050円、モダン焼は「すじ玉デラックスモダン」1470円など、どれもリーズナブル。
ほかにも「鉄板めし」や「鉄板焼」メニュー、サラダなどの一品もの、「甘味」メニューとバリエーションが豊富です。

今日は、秋らしい具材がいっぱい入った 秋限定メニュー「秋月焼(しゅうげつやき)」1530円をオーダーしたいと思います。

昭和の面影を残すパフォーマンス

同店のお好み焼きのほとんどは、目の前でスタッフの方が焼いてくれますが、「秋月焼」は焼き上げたものがサーブされます。
ですが、仕上げは目の前で。
創業当時からパフォーマンスとお客様との対話を大切にしている、と話すのは 店長の熊取谷 稔(くまとりや みのる)さん。調味料の「好み」や「量」など、ひとつひとつ丁寧に聞き取りをしながら仕上げていく様子は“昭和のお好み焼き屋さん”を彷彿とさせます。

自分好みのお好み焼きが完成しました！

“値段に釣りあわない”お好み焼き

輝くお月様に見立てた目玉焼きにコテを入れると、その生地のやわらかさに驚かされます。まるでスフレやムースのようです。

ひと口目からいきなり遭遇。
これ、なんだかわかりますか？　
なんと、A4ランクの「黒毛和牛」です！　ほかにも、もち豚、きのこ、チーズ、イカ天などがふわふわの生地の中にぎっしり詰め込まれています。

所々に顔を出す「黒毛和牛」は、ちょびっとなんかじゃありません。上質な脂が生地に溶け込み、もはや「庶民の食べもの」とは言えないレベルのお好み焼きに仕上がっています。

ひょっこり現れるきのこに秋を感じる。

チーズのお焦げも見逃せません。のせたらパリふわ食感に！
なによりも主役のキャベツがやわらかくて甘い。 ハフハフしながらどんどん口に運びます。

昭和の面影を残すパフォーマンス、選び抜かれた素材、A4ランクの黒毛和牛、そして目下高騰中のキャベツ(例年の3倍近い卸売価格)、群を抜く味、このお好み焼きにまつわるすべての背景をひっくるめると、どう考えても1530円の値段に釣りあいません。

先代のたゆまぬ努力

創業30年「いろは満月」の初代社長は、大正15年から続く老舗精肉店で研鑽を積み、満を持して「お好み焼き店」を開業。以来、老舗精肉店をはじめ、地元の農家さん、産直市場などと絆を深め、物価高騰の煽りを受ける中でも低価格で質のいい料理を提供し続けています。
現在は、三姉妹の長女さんが「スーパーいろは」(所在地：湊2丁目)の社長を務め、次女さんが「いろは満月」を受け継いでいます。

ご家族と地域のみなさんのご協力のもと、“値段に釣りあわない”お好み焼きが存在していることを知り、カラダだけじゃなくこころまでホットになれた取材でした。

今回ご紹介した秋限定メニューの「秋月焼」は、11月末までの提供となります。
12月初旬(日にちは未定)からは、冬限定メニューの「冬月焼(とうげつやき)」が登場。
牡蠣、イカ、もち豚、黒毛和牛のスジコンなどが入った魅力あふれるお好み焼き。
こちらもぜひお楽しみに！

「いろは満月」泉佐野店は、電話予約も受け付けています。
スムーズに入店されたい方は電話予約がおススメです。

キャベツ高騰中の今、「お好み焼き」は外で食べるのが正解かも？