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【ガーデニング】誰もがやる失敗に学べ!挿し芽、挿し木の成功率を上げるコツ

グロ子園芸愛好家 / FPライター

こんにちは、ファイナンシャルプランナーで園芸愛好家のグロ子です。

挿し芽やってますか!
挿し穂と呼ぶ茎を水や土に挿し、発根させて株をつくるアレです。
草本植物なら挿し芽、木本植物なら挿し木ですが、同じ作業なのでここでは呼び方を刺し芽に統一します。

5月~6月は刺し芽に最適の季節。
けれど挿し芽って世間でいうほどジャンジャン発根して成功するわけではありません。
そんなに成功するなら、みんながやって苗を買う人なんていなくなってるはずですよね。
実はけっこう難しい挿し芽、失敗しがちなポイントをチェックしていきましょう。

挿し穂は鋭い刃物で作る

挿し穂を作る時、種類によって残す葉の量や茎の長さが変わります。
でも全ての挿し芽にいえることは「よく切れる清潔な刃物を使って作りましょう」ということ。

  1. 茎の細胞を潰さない、切れ味の鋭い刃物を使う
  2. 雑菌を防ぐため、刃物は洗って乾かしておく

上記2点はとても大事です。
挿し穂の先端から発根するか腐るかは、カットした刃物でほぼ決まってしまいます。
挿し穂の切り口は斜めがいいといわれていますが、よく切れる刃物でないと肝心の先端が潰れてしまいます。
私はここぞという花には台所の包丁を使っているほどです。
挿し穂の先端にダメージがあると、その後何をやっても発根しません。
この作業を丁寧にやらないと全ての作業が全部無駄になってしまいます。

ここで唐突にイラスト解説です。

盆栽の先生が一番こだわっておられたのが挿し穂の先端に傷をつけないこと。
挿し芽成功率ほぼ100%の先生なのでとても勉強になりました。

発根剤を吸収させる

挿し穂を切ったら切り口をメネデールなどの発根促進剤に2時間ほど浸け、水分を充分に吸収させてください。
発根剤を使うと使わないでは差が大きく、これだけで成功率がかなり上がります。

その後土に挿し穂を挿して発根させたり、水挿しといってコップの水の中で発根させたりします。

水挿しはその後の成功率が低い

挿し穂を水に挿しておくと根っこがでてきます。
ポトスをコップに活けておくと、そのつもりがなくても発根してますよね。
観葉植物はわりと挿し芽に向いていますが、普通の園芸植物ではそうはいきません。

多くの挿し穂はコップで発根するところまでは上手くいきます。
でも土に移植したとたん枯れてしまうのです。
水中で出た根はデリケートなので土に適応しにくく、水分を充分に吸収することができません。
また切り口からぬめりがでて発根しないまま終わることもあります。
そのためには以下の点を工夫して下さい。

  1. 水に発根促進剤の水溶液を使う
  2. 水を毎日取り換えて雑菌の繁殖を抑える
  3. 挿し穂が発根したら早めに土に移植する

コップでは元気な根が出ていたのに、いざ土に定植したら枯れてしまう原因は3番です。
挿し穂から根が出てきたら早めに土に植え替えましょう。

水挿しぜずに土で発根させる

発根促進剤を吸収させた後、水挿しせずに土に挿した方が株までスムーズに成長します。
この時こだわるべきことは、土に挿した後挿し穂を動かさないこと。
挿し芽の土には栄養分が含まれない清潔な土を使う、というのはどのテキストにも書いてありますが、私の実感ではその後挿し穂を固定できていたかどうかも成否を分ける大きなカギです。

  1. 新しい挿し芽専用の土か赤玉土を使う
  2. もしくは新しい元肥が入っていないきめの細かい土を使う
  3. 挿した後は挿し穂に触らない。挿し穂を動かさないを徹底する
  4. 絶対に用土を乾燥させない

これを徹底してください。

私は挿し穂に新しい種まき培養土を使うことが多いのですが、少し元肥が入っている割にはうまく株まで成長しています。
種まき培養土はきめが細かく、一度水分を吸収すると挿し穂をしっかり固定してくれるからでしょう。

抜くと挿し穂がダメになるので、抜いて観察する分も含めて挿し芽は多めに作っておきましょう。
発根が始まっていた挿し穂でも、一度抜いて埋め直すとそのまま枯れてしまいます。

生命力の強い茎を挿し穂にする

挿し芽の成功率はその植物の育てやすさとほぼ比例します。
雑草並みの強さをもつミントは適当にやっても株にするのは簡単です。
環境に左右されにくく室内でも育つ観葉植物の挿し芽が育てやすいのもそのためです。

植物の種類だけではなく、その株のどの部分を挿し穂にするかでも成功率は変わります。
例えばマーガレットの場合、がっつり木質化した古い茎より緑色の残った茎の方が早く発根します。
挿し穂を取るときは伸び盛りの成長しそうな部分から取って下さい。
生命力の強そうな部分を挿し穂に使うと根が早くでます。

多めに作って気長に待つ

挿し芽は気温や湿度でも変わってきます。
一週間で発根する年もあれば、同じ季節にやっても一ヵ月以上かかる年もある。
誤解しやすいのは発根したらすべてが株に成長するのではないところ。
発根しても枯れるものもあり、株になるまでにはけっこう時間がかかります。

挿し芽で花や木を増やしたいときには、保険をかけて欲しい数の4~5倍くらい挿し穂をつくります。
最初のうちはあまり期待せず「こんな茎からもう一株できたらラッキー!」くらいの軽い気持ちでやってみましょう。
植物の癖をつかめば、これなら失敗しないという花や木ができてきます。
これから梅雨にかけては挿し芽の最適シーズン。
何か一種類でも挿し芽に挑戦してみてください。

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園芸愛好家 / FPライター

花、野菜、盆栽、コンポスト、ありとあらゆる植物系お稽古事をやり尽くした園芸歴30年のFPライターです。私の強みは自分で実際に経験した幅広い園芸ネタ。FPとしてコスパよく園芸を楽しむコツもお伝えします。コキア友の会代表(会員私だけ)

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