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3年間の保護観察処分が下った3階級制覇王者

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 29戦全勝27KOでPPVを稼げるスター王者となったジャーボンテイ・デービスが、2020年11月に故郷ボルチモアで起こした轢き逃げ事件について、実刑を免れた。

 無敗のサウスポー王者は、この2月に妊婦を含む4人が負傷した轢き逃げに起因する4つの訴状について自ら有罪であることを認めた。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 ボルチモア警察によると、デービスは同市にあるクラブを午前2時に出て、赤信号を無視して2004年型トヨタ・ソアラの助手席に衝突。その後、現場から逃走した。検察側は、デービスが被害者女性と目を合わせたにもかかわらず、助けを呼ぼうとしなかったと主張した。この女性は現在、民事裁判も起こしているとのことだ。

 裁判記録によると、デービスはトレーナーのカルヴィン・フォードの自宅で90日間の自宅謹慎を言い渡され、3年間の保護観察処分を受けることになった。また、200時間の社会奉仕活動も課された。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 3階級制覇チャンプを裁いたアルシア・M・ハンディ裁判官は「彼は全く反省していない」と語ったことを、『ボルチモア・バナー紙』が伝えた。

 デービスはフロリダ州ブロワード郡でもドメスティック・バイオレンスで訴えられている。同裁判の次の審議は5月26日に予定されている。

 彼は幼い頃から鍛え上げてきた技量を錆び付かせてしまうのか、あるいは更に輝かせられるのか。3年間の保護観察中に、何かを掴めるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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