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2年前のドラフト全体1位がメジャーデビューへ。新人王レースに本命現る

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)Mar 19, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ボルティモア・オリオールズは、AAAからジャクソン・ホリデイを昇格させるようだ。4月9日、ESPNのジェフ・パッサンとニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが、相次いで報じた。

 ホリデイは、2022年のドラフト全体1位だ。プロ2年目の昨シーズンは、A→A+→AA→AAAと昇格し、計125試合で打率.323と出塁率.442、12本塁打と24盗塁、OPS.941を記録した。どのクラスでも、出塁率は.395を上回った。今シーズンの開幕前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカとベースボール・プロスペクタス、MLB.comのいずれからも、全体1位に挙げられていた。

 今年のスプリング・トレーニングは、15試合で打率.311と出塁率.354、2本塁打と2盗塁、OPS.954。14安打の半数は、長打だった。AAAで開幕を迎えた今シーズンは、最初の打席でホームランを打ち、10試合で打率.333と出塁率.482、2本塁打と1盗塁を記録している。こちらも、14安打中7本が長打だ。

 ただ、それだけなら、ホリデイの昇格は、もっと先だったと思われる。

 ここまで、二塁の先発出場は、ホルヘ・マテオジョーダン・ウエストバーグが4試合ずつとトニー・ケンプが2試合だ。三塁は、ラモン・ウリーアスが6試合とウエストバーグが4試合。遊撃は、どの試合も、ガナー・ヘンダーソンが守っている。

 彼らのうち、マテオは打率.357と出塁率.400だが、あとの4人は、打率.235未満と出塁率.300未満。さらに、ヘンダーソンを除くと、ウエストバーグ、ウリーアス、ケンプの3人は、打率.195未満と出塁率.245未満だ。

 ここからは、ホリデイが二塁を守り、遊撃はヘンダーソンのまま、三塁は併用、となる可能性が高そうだ。

 ホリデイの昇格に伴い、ロースターから外される選手も出てくる。こちらの候補は、ウエストバーグ、ウリーアス、ケンプだ。この3人中、マイナーリーグ・オプションが残っているのは、ウエストバーグだけ。三塁でウエストバーグを起用するつもりなら、オリオールズは、ウリーアスとケンプのどちらかをDFAとするだろう。

 なお、父のマット・ホリデイは、2004~18年の15シーズンに、打率.299と出塁率.379、316本塁打と108盗塁、OPS.889を記録した。2007年は、首位打者と打点王を獲得している。

 今から20年前、父は、コロラド・ロッキーズの開幕10試合目にデビューした。そのままレフトに定着し、121試合で打率.290と出塁率.349、14本塁打と3盗塁、OPS.837。ナ・リーグの新人王投票では、ジェイソン・ベイカリル・グリーン大塚晶則アーロン・マイルズに次ぐ、5位に位置した。6位タイは、松井稼頭央ターメル・スレッジだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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