関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな！です。新１万円札の発行で話題となっている渋沢栄一。

約500もの会社を作った資本主義の父ですが、ゆかりの地が盛り上がる一方、今一つ親しみがわかないという方も多いようです。そこで今回は、故郷の埼玉県深谷市にある（いる）渋沢栄一のアンドロイドを紹介します。

埼玉県深谷市

深谷駅は、東京から新幹線で北へ３駅の熊谷駅よりさらに北。

埼玉県と言っても山並みが美しく、風光明媚な場所です。渋沢栄一が生まれた江戸末期は、藍や桑などの畑が広がっていました。

新１万円札の渋沢栄一は、ちょうど70歳のときの姿。

栄一にとって十三番目の子という意味で名づけられたという説もある重三郎は、68歳の時に生まれています。

渋沢栄一アンドロイド　１体目は肉声講義もできる

渋沢栄一記念館にある（いる）アンドロイドは、お札と同じ70歳前後の渋沢栄一がモデルです。

予約制で再現した肉声による講義を聴くことができます。「道徳経済合一説」の講義では、次のような内容が語られました。

渋沢栄一アンドロイドの講義は、新１万円札の発行で予約が取れないと想像していましたが、かなりの空きがありました。（予約サイト、２日前まで）

渋沢栄一関連の各施設は市営が多く、予約制など融通が効きにくい点にも背景がありそうです。

その反面、ほとんどの施設で、派手なカフェ、グッズ販売といった無駄がなく、入館料がかからないのはメリットです。

アンドロイドの全身を見ると、想像より小柄です。この当時（70歳前後）の身長は153ｃｍと推定されています。

資本主義の父というといかめしい印象ですが、想像よりは背が低く、親しみやすい人間像だったのかも知れません。

渋沢栄一アンドロイド　２体目は80歳

アンドロイドの２体目は、渋沢栄一が生まれた場所にあります。

現存する家屋・中の家（なかんち）は、栄一が深谷に帰郷した際に滞在していました。

80代の渋沢栄一です。表情が変化するアンドロイドです。

悠々自適の隠居生活をしていた頃……と言いたいところですが、80代になっても、連日会合や講演をこなしていた記録が残っています。

政治家や実業家は、高齢になっても驚くほど活躍しますが、自分が社会に為すべきことがあるという責任感が、健康を招いているのかも知れません。

アンドロイドの表情は、下の動画で確認できます（X＝旧Twitterに飛ばなくても、再生できます）。ブラタモリでタモリさんが「対話」したアンドロイドです。

深谷には栄一の銅像や人形も随所に

深谷には、アンドロイドだけではなく、渋沢栄一の銅像や人形も随所に見られます。

写真は深谷駅を降りたち、最初に出会う石像です（深谷駅前像Ｂ、一覧資料）。

下は、やはり駅前にあるからくり人形。ご当地キャラに見えますが、日中の正時（朝７時～20時および23時の毎時00分）には、大変身します。スマホなどの音量ボタンを上げると、コミカルな音楽も再生できます。

こちらは２階の中ほどまで届く大きな銅像。

全身がふっくらとしており、中年の頃かも知れません。

70歳前後のアンドロイドがいる、渋沢栄一記念館の裏にあり、見落としがちな場所です（深谷栄一記念館像、深谷駅前像Ａから移転、一覧資料）。

生まれた場所に建つ中の家（なかんち）には、スリムな渋沢栄一。若い頃の像だと思われます。

実は深谷は、意外に見どころが多く、１日で回ると疲れ果ててしまいます。そのため、テーマを絞って回るのがコツ。アンドロイド、銅像、人形に絞るのも１つの手です。

深谷駅舎でおなじみ、レンガに絞る手もあります（下のリンク先）。

新１万円札で注目　渋沢栄一の「埼玉深谷」の町は観光にも最適な、静かで奥深い町

深谷を知るには、ブラタモリの内容が大変参考になります。

【ブラタモリ深谷　全ロケ地】タモリさんが「新１万円札」渋沢栄一の故郷を歩く（とらべるじゃーな！）