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新1万円札で注目 渋沢栄一の「埼玉深谷」の町は観光にも最適な、静かで奥深い町

とらべるじゃーな!穴場ずらし旅、愛好家

関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。新1万円札の発行で、渋沢栄一の故郷、埼玉県深谷市が注目されています。

駅そのものが観光地

上野駅から高崎線の快速で約1時間10分。

深谷駅は、東京から新幹線で北へ3駅の熊谷駅よりさらに北にあり、埼玉県と言っても山並みが美しく、風光明媚な場所です。

いまは東京のベッドタウンとして開けていますが、渋沢栄一が生まれた江戸時代の末期には、緑豊かな田舎だったと想像されます。

深谷駅は、東京駅にそっくりですが、線路をまたぐ橋上駅(きょうじょうえき)であることがポイント。

この外観は、東京駅のレンガを、深谷で作っていたことが由来です。

深谷市の日本煉瓦(れんが)製造株式会社は、深谷市出身の実業家である渋沢栄一氏が作った、日本で最初の機械式レンガ工場です。

深谷のレンガ製造は、瓦(かわら)の製造が原点です。レンガも粘土からつくられるため、既存の技術を発展させることができました。

現地の深谷ねぎ
現地の深谷ねぎ

深谷は扇状地で、良い粘土質が特徴。これは瓦やレンガ造りだけでなく、深谷ねぎに養分も与えています。

渋沢栄一のレンガ工場

日本煉瓦製造株式会社の跡地は、土日祝日のみ公開され、やや穴場と言えます。

長らく工事が続くホフマン輪窯(わがま)は、新1万円札発行に合わせ、この7月から一部公開が始まっています。

土日祝日に加え、7月1日~5日、8月13日~16日は、新1万円札発行を記念し平日の特別公開があります。(深谷市公式、最終受付時刻が早い点にご注意ください)。
駅からはくるリンバスで20分。「せきね商店前」で下車します(バス案内

付属の煉瓦史料館は、現在は休館中ですが、様々な形のレンガが展示されていました。

工場の裏手には、現在も川が流れ、かつては水運利用のほか専用鉄道も敷かれていました。

近くの備前渠鉄橋(びぜんきょてっきょう)は、何と線路の跡。

この先は、線路跡を活用した快適な遊歩道として整備され、深谷駅前まで続いています。約1時間の距離ですが、涼しい日ならおすすめです。

レンガが印象的な誠之堂

レンガが印象的な誠之堂(せいしどう)と、隣接する清風亭は、 渋沢栄一の作った第一銀行(現みずほ銀行)関連の建物を移築したものです。

ひとことで言えば、写真映え(インスタ映え)する建物。奥に見える白い建物が清風亭です。

清風亭です。

渋沢栄一が通った尾高惇忠(おだか あつただ)生家

渋沢栄一のいとこ、尾高惇忠の生家は、論語の授業を受けに通った場所です。建物はコンパクトですが、味のある和風建築です。

レンガの建物もありました。

深谷観光のポイントは?

レンガペンダントは清風亭内の「ガチャ」で入手
レンガペンダントは清風亭内の「ガチャ」で入手

深谷は、日帰りで訪ねる方が大半。

しかし、交通の便が悪い割に、中の家(渋沢栄一の生誕地)、渋沢栄一記念館、麺屋忠兵衛煮ぼうとう店、七ツ梅酒造跡など、意外に見どころが多く、1日で回ると疲れ果ててしまいます(市街地のためクルマでも回りづらい)。

そのため、テーマを絞って回るのがコツ。今回はレンガに絞ってご紹介しました。

レンガに絞れば、日本煉瓦製造株式会社の跡地から深谷駅まで、鉄道跡を歩く(途中に線路が保存されている場所も)など、タクシーで駆けまわるほかの観光客を尻目に?ゆったりした旅ができます(中の家、渋沢栄一記念館、麺屋忠兵衛煮ぼうとう店は、観光サイトによく紹介され、混雑が予想されます)。

※渋沢栄一記念館の見学は、2日前までの予約制(公式サイト)。

深谷を知るには、ブラタモリの内容が大変参考になります。

【ブラタモリ深谷 全ロケ地】タモリさんが「新1万円札」渋沢栄一の故郷を歩く(とらべるじゃーな!)

観光名所は次のページから
新1万円札で注目の「埼玉深谷」 電車・バスで回れる観光地ベスト15(とらべるじゃーな!)

穴場ずらし旅、愛好家

関東周辺の穴場★ずらし旅スポットを紹介。日本テレビに旅の専門家として出演(2023年4月)。Yahoo!ニュースエキスパート公式旅行ライター(2023年7月企画賞)。JTB運営・地理旅行検定取得済み。東京都在住、旅行歴500泊以上。

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