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眞子さま結婚問題にこの秋決着か。これで良いのかと思わざるを得ない結末は…

篠田博之月刊『創』編集長
眞子さま結婚騒動はいよいよ結末を迎えるのか(写真:Motoo Naka/アフロ)

きっかけは7月30日のNHKニュース

 「裏切り婚」「追放婚」などの文言が女性週刊誌の表紙に躍っている。この秋にも大きな動きが予想される眞子さまと小室圭さんの結婚についてだ。

 きっかけは7月30日午後2時過ぎにNHKが報じたニュースだったようだ。「小室圭さん 米の司法試験受験終了 ニューヨークで就職へ」と題するもので、NHKのスクープだった。まだ今ならネットで見ることができる。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210730/k10013170211000.html

 それによると、小室さんは7月27、28日に米ニューヨーク州の司法試験を受験。結果発表はまだだが、既に現地の法律事務所へ就職する見通しも立っているという内容だ。司法試験受験自体は他の媒体も報じてきたが、このニュースのポイントは、小室さんが現地の法律事務所へ就職するというくだりだ。つまり結婚を前提とするなら、眞子さまはアメリカへ渡って結婚生活を送るということになるわけだ。

 『週刊文春』8月12・19日号によると、実際にはこのニュースほど就職の見通しは確定的でないため、後追いの新聞などの報道はややトーンダウンしたという。ただ小室さんが現地で就職する意向は強いようで、そうなると、長年続いた眞子さま結婚騒動にひとつの結論が出ることになるわけだ。

女性週刊誌は「追放婚」「裏切り婚」などと報道

 それを報じた『女性セブン』8月19・26日号の見出しはこうだ。

「眞子さま追放婚 五輪後渡米『日本にはもう戻れない』」

見出しのおどろおどろしさに驚いてしまう(「女性セブン」)筆者撮影
見出しのおどろおどろしさに驚いてしまう(「女性セブン」)筆者撮影

 『週刊女性』8月17・24日号は「今秋結婚は既定路線」という宮内庁関係者の証言を載せ、「眞子さま、今秋、傲慢すぎる『裏切り婚』へ」という見出しを掲げている。

この見出しもすさまじい(『週刊女性』)筆者撮影
この見出しもすさまじい(『週刊女性』)筆者撮影

 何が裏切りなのか、記事を読んでもよくわからないのだが、どうやら国民が祝福するような環境を作るのでなく…という思いを込めて「裏切り婚」と呼んでいるようだ。

 『女性セブン』の見出し「追放婚」は何とも眞子さまに対して厳しい表現だ。

 今やどう転んでもバッシングの対象になってしまうのが眞子さまと小室さんの結婚だ。眞子さまや秋篠宮家など関係者も、できることなら国民が理解するような形になってくれることを望んではいただろう。それがどうにも難しいとすれば、日本を離れて生活したいと当人たちが考えても無理はないように思う。

 そうなってしまったのは、小室家の対応のまずさはもちろんあったろうが、何をしてもバッシングの対象になってしまう週刊誌報道の影響が大きいことは確かだろう。その原因を作った週刊誌が、「裏切り婚」とか「追放婚」などと報じるのは、どうなのだろうか。

眞子さまが皇籍を離脱して渡米か

 『週刊新潮』8月12・19日号では皇室ジャーナリストがこう解説している。

 「もはや一般の結納にあたる『納采の儀』を経た結婚はなく、入籍と同時に眞子さまが皇籍を離脱する”駆け落ち婚”しか残されていません」

「頃合いを見計らって眞子さまは、宮内庁を通じて外務省にパスポートの発券を申請し、渡航することになるでしょう」

 9月11日の誕生日に際して、紀子さまは宮内記者会の質問に文書で回答することになっているらしいが、その事前に提出された質問の中に、当然ながら眞子さま結婚問題が含まれているという。秋篠宮夫妻や宮内庁は、眞子さまの結婚についての落としどころを、どの時点でどのように説明なり発表するのか、思案しているところのようだ。

 眞子さまが皇籍を離脱して小室さんと結婚するという案は、もう昨年くらいからたびたび囁かれてきたのだが、小室圭さんの就職が決まり、アメリカで生活することになりそうなこのタイミングがひとつの決断のきっかけになるのかもしれない。

小室佳代さんの職場にまで抗議の電話が

 ついでながら前出『週刊新潮』の記事の見出しは「『小室佳代さん』が勤め先洋菓子店で大トラブル」だ。

 小室圭さんの母親・佳代さんと勤務先がギクシャクしているという内容だが、驚くのはその中に登場する店の関係者のこういう証言だ。

 「店にもよく『なぜあんな人を雇っているのか』『二度と買わない』といった抗議電話が掛かってきています」

 結婚に反対する人が宮内庁に抗議の電話をかけてくるというのは、この何年か指摘されてきたから、考えてみれば佳代さんの職場にもそういう電話がかかっていて不思議はない。

 でもどうなんだろうか。私にはこのバッシングの空気の方が異常だとしか思えない。

週刊誌の「バッシング一色報道

 週刊誌がもう何年も続けている小室家バッシングはいまや大きな影響力を持ち、多くの人が、小室家はカネと地位目当てに眞子さまとの結婚を望んでいるという見方のようだ。週刊誌は中身を読まなくても、電車の車内吊りなどに激しい見出しが躍るから、それを毎度見せられていたら当然影響を及ぼすだろう。

 『週刊朝日』や『サンデー毎日』など新聞社系週刊誌も「バッシング一色」の中に埋没しているのだが、世論がそうなってしまっている以上、それに対抗した論調を展開するのは難しいということなのだろう。

 敢えてその風潮に一石を投じているのが『週刊文春WOMAN』で、6月22日に発売された夏号では「小室佳代さん『密着取材』一年」と題して、佳代さんの声を特集していた。同誌の記者が、小室佳代さんに断られてもめげずに声掛けを続け、少しずつ会話ができるようになっていった過程をまとめたものだ。眞子さま結婚問題について肝心なことは話さないのだが、一連のバッシングについては佳代さんが率直な心情を語っている。

 「いつ死んでもいいと思うこともありました。明日死のう、と。今だってそう思うことはあります。本当に心身ともにつらくて……。こんなに生活が一変するなんて思わなかった。自分の中で勘違いしていた部分もあるかもしれません。何と言うか、自分の考えの許容範囲じゃないところで色々なことがあったので」

敢えて一石を投じた『週刊文春WOMAN』

 これは別に佳代さんが正式に同誌の取材に応じたわけでなく、いつもついてくる同誌記者につい心を許してポツポツと雑談を交わした会話を載せられたものなのだが、いろいろな週刊誌がそれを引用、紹介して大きな反響を呼んだ。

『週刊文春WOMAN』は独自のスタンス(筆者撮影)
『週刊文春WOMAN』は独自のスタンス(筆者撮影)

 『週刊文春』本誌とはある意味で全く違うスタンスだが、同誌の井崎彩編集長は私がインタビューした時、こう答えていた。

「バッシングがこれだけあふれている中で、どんな言葉を発する人なのか直に確かめたかった。別に小室さん母子を擁護するわけじゃないのです。専業主婦をしていた女性が、突然夫を亡くすという状況の中で必死で生きてきたわけですよね。佳代さんの、そういう女性としての人物像を描きたいなと思いました」

 確かに記事は小室さん母子を擁護しているわけではないのだが、それであっても他の週刊誌のバッシング一色報道とは趣を異にしていたため注目されたというわけだ。

結末はいったいどうなるのか

 さて、この秋、眞子さま結婚騒動は、どんな形で決着を見るのだろうか。

 国内で追い詰められた末に皇籍離脱してアメリカへ、というのは、本当の解決になっていないという思いだけが残る結末で、それでいいのだろうかという思いは拭えないのだが。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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