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BTSニューアルバム「BE」全曲を楽しみ尽くす! 意外と未知!?「公式プレスリリース」内容を一挙紹介

(写真:ロイター/アフロ)

”韓国の制作者側の曲説明を改めて掘り起こし、楽曲をより楽しもう”

そういった主旨で昨日(11月29日)にBTSの新譜「Life Goes On」(11月20日)の韓国公式プレスリリースの内容を紹介した。

「Life Goes On」でBTSが伝えたいこととは? ”楽曲説明のオフィシャル資料”を読解! 

大ヒットした「Dynamite」に続き、新型コロナの影響を受ける世界を歌った楽曲。前作よりも歌詞の内容で「悲しみ」を掘り下げ、公式MVでは映像にあたたかみを加え、それらがメンバーの中低音の歌声と調和している点が記してあった。

今回は続編としてこのアルバム収録曲のご紹介を。

「Life Goes On」は、11月20日に公開されたアルバム「BE (Deluxe Edition)」のタイトル曲としてリリースされた。当然、楽曲をリリースする側には、タイトル曲のみならずアルバム全体として伝えたいこともあるからだ。

昨日に紹介した、韓国でメディアに配布されたプレスリリースにこの詳細が記されているのだ。

該当資料。筆者撮影
該当資料。筆者撮影

この内容のうち、「BE (Deluxe Edition)」アルバム全体の説明は、韓国の事務所(BIG HIT ENTERTAINMENT)の公式サイト日本語版に紹介されている。

アルバム「BE」のコンセプト紹介

いっぽうで、リリースに記された「各曲の紹介」はなかなか日本語ではなされていない(韓国語では「韓国版ウィキペディア」に同一内容が転載されていたが…)

”アルバム収録曲の名曲発掘”は、K-POPの楽しみの一つではないか。筆者は長らく「ガールズグループを眺めてきたおじさん」としてこれを楽しんできたが(RAINBOW「KISS」、少女時代「Express999」は双璧)、男性グループを応援する女性ファンとて同じはず。

ところがこれには「なかなか解説が少ない」という弱点がある。どういった背景があるのか、知る機会があまりない。「良さそうだな~」と思うところに、制作者側の意図の説明があればそれがより深まるのではないか。

それゆえ、今回は「BE(Deluxe Edition)」発売時に韓国メディアに配布されたリリースから「全曲分の説明・全訳」を。

アルバム発売からおよそ10日が経ち、一通り「ご自身の観点からアルバムを聴いてみた」という頃ではないか。このタイミングで改めて、韓国の制作者側からの説明を。これもまたとてもよいタイミングだ。

ぜひともK-POPライフのお供に。

1.Life Goes On

アルバムのゲートを開く最初のトラックであり、タイトル曲でもある、<Life Goes On>は感覚的なアーティスティックギターサウンドが特徴のあるオルタナティブ・ヒップホップの楽曲だ。必死に駆け抜けた後には、立ち止まるしかなかったり、望まない状況に出くわすもの。しかし「それでも日々は続く」という慰めのメッセージを伝える曲であり、中低音の声で歌う防弾少年団の特別な魅力を感じることが出来る。誰もが共感できる正直な歌詞に防弾少年団の重みのある響きが加わり、彼らの本音がより迫ってくる。

※同曲に関しては昨日の原稿でも同一内容を紹介しました。ちなみに「Life Goes On」は韓国語読みだと「ライプ ゴス オン」が近いです。

2.Fly to My Room

SUGA、J-HOP、ジミン、Vが息を合わせたユニット曲。ゴスペルの感性が溶け込んでいるネオソウルR&Bサウンドとメンバーの淡い声が鑑賞ポイント。世界的なパンデミックにより多くのことが制限され、もしかしたらこの先も旅行に関する定義や概念が変わるしかないかもしれない状況で、視野を拡げ生活の小さな楽しみを探してみようという歌詞が楽しく迫ってくる。まるで旅行したかのように家の中を観察する内容で楽曲が展開する。変わってしまった状況にあっても、新しさを見つけるユーモラスで、ポジティブなメッセージを込めた曲だ。

3.Blue & Grey

アーティスティックギターサウンドを中心にした感覚的ポップバラードとして、作詞作曲に関わったVの個性と魅力がいっぱいに詰まった楽曲。歌詞では内面の憂鬱と不安感を青、灰色で表現し、リスナーの共感を引くものになっている。アーティスティックギターの演奏が曲の中心となり、後半に出てくるボーカルハミングが曲の感情を高める。

4.Skit

防弾少年団はデジタルシングル<Dynamite>でアメリカビルボードのメインチャート「HOT100」で一位を獲得し、全世界のPOPシーンに新たな歴史を刻んだ。1位発表のニュースを聞いて感激したその瞬間、防弾少年団のメンバーが分かち合った会話を臨場感とともに。

5.Telepathy

ピンキーなリズムを基盤にしたレトロポップディスコの楽曲。SUGAが制作全般に関わった。ドラムとベースを中心にレトロ風シンセサウンドが魅力的だ。コロナにより全世界のファンと直接会えないという、”しばしの間”離れている現在の状況を歌詞に溶かし込んだ。ファンに会える時、ファンとともにいる瞬間が一番幸せで、今はたとえ離れていてもつねに一緒にいる。このことを感じる7人のメンバーの率直なメッセージが込められている。

※韓国語でのタイトルは「チャムシ=しばらくの間」です。

6.Dis-ease

J-HOPEが制作に関わったオールドスクールヒップホップを基盤としたイージーリスニング曲。防弾少年団の各メンバーの個性と魅力がしっかりと表れている。急に訪れた、”休み”を穏やかに楽しめず、不安定で居心地の悪さまでもを感じる状態を一種の職業病に比喩した。予測不能な状況でも防弾少年団だけのスタイルで再び立ち上がり、克服しようというストーリーだ。ジャンルとしては、フューチャートラップ。変奏がある後半の「病を癒そう」というメッセージが、壮大な元気と爽快なエネルギーとして広がっていく。

※韓国語でのタイトルは「ピョン=病気」です。

7.Stay

ジョングクが作曲に参加した、RMとジン、ジョングクによるユニット曲。感性あふれるフューチャーハウスのジャンルの曲で、たとえお互いが離れていても常にともにいるという内容の歌詞になっている。3人それぞれが違う魅力を発揮し、爽快であふれんばかりの感情が感じられる曲だ。

8.Dynamite

2020年8月21日、全世界に同時発売された防弾少年団の初デジタルシングルが今回、アルバムに収録された。アメリカのビルボード「HOT100」1位に輝いた曲。中毒性の強い爽快なリズムの楽しさ、そこに力強いパフォーマンスを加えたディスコポップの曲だ。歌詞では小さな日常の瞬間を通じ、日々の大切さと人生の特別さを語っており、「新型コロナですべてが苦しい時期に活力と希望のメッセージを伝えたい」という防弾少年団の願いが込められている。

筆者自身、ガールズグループの曲説明はかなり訳してきたが、BTSのものを試みたのは今回が初めてでした。一つ一つの楽曲に「どんなジャンルの曲」と示されている点にはっきり言って驚いた。個人的なお気に入りは「Fly to My Room」です。「なんかやるせないんだけど、まあしかたないから、楽しんどこか~」という感じがすごく伝わってくる。男性が聴いてもカッコいい。そう思います。

ご参考までに:「Life Goes On」でBTSが伝えたいこととは? ”楽曲説明のオフィシャル資料”を読解! 

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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