古巣相手に今成が大暴れ!秋山は8勝目《8/6 8/7 阪神ファームin鎌ヶ谷》
阪神ファームは先週末、鎌ヶ谷ファイターズタウン(千葉県鎌ケ谷市)でイースタン・リーグの日本ハムと交流試合を行いました。日本ハムとは昨年6月にも新潟県三条市で対戦していますが、鎌ヶ谷スタジアムでは3年ぶり。その2013年は、7月6日が11対2で日本ハムの勝ち(先発の二神投手が満塁弾を浴びて…)、翌7日は5対2で阪神の勝ち(狩野選手とコンラッド選手にホームラン。コンラッド!懐かしい)で1勝1敗でした。
そうそう、前に来た時はちょうど1塁側スタンド(甲子園でいえば一塁アルプス)にプールが新設されたばかりで、まだオープン前だったような。今はもうすっかりおなじみとなった“鎌スタプール”で、今回も水着姿のお客様が観戦中でしたねえ。三塁側のカメラ席からは、マウンドで投げるピッチャー越しに水しぶきが見え、思わず「いいなあ」と声も出てしまうほどの暑さ。
<1戦目は6-0の完封勝利!>
そんな灼熱の鎌スタで行われた2試合、6日は秋山投手が前回のウエスタン・広島戦(丸亀)に続く好投で8勝目。そして朝からファイターズの監督、コーチ、選手、スタッフの皆さんと挨拶に大忙しだった今成選手が、ホームランに二塁打2本で3安打5打点の活躍!ヒーロー賞を受章しています。両チームのベンチ、両チームの応援スタンドから大きな拍手を浴びました。
《ファーム交流試合》8月6日
日本ハム-阪神1回戦 (鎌ヶ谷)
阪 神 000 102 300 = 6
日ハム 000 000 000 = 0
◆バッテリー
【阪神】○秋山(8勝2敗)-筒井-福原 / 梅野-小豆畑(8回~)
【日本ハム】●吉田(6勝6敗)(5回)-上沢(1回)-田中豊(1回)-石川直(2回) / 石川亮-大嶋(8回~)
◆本塁打 今成2号ソロ(吉田)
◆二塁打 渡邉、今成2、松本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]指:上本 (3-0-0 / 0-2 / 1 / 0) .329
2]左:緒方 (4-2-0 / 2-1 / 0 / 0) .267
3]一:陽川 (1-0-0 / 1-3 / 0 / 1) .309
〃一:西田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .232
4]中:横田 (5-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .299
5]三:今成 (5-3-5 / 1-0 / 0 / 0) .323
6]二:板山 (4-1-1 / 0-0 / 1 / 0) .232
〃遊:植田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .124
7]遊二:森越 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .217
8]捕:梅野 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .206
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200
9]右:柴田 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250
〃右:俊介 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .263
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 7回 94球 (5-5-0 / 0-0 / 2.33) 146
筒井 1回 20球 (1-2-1 / 0-0 / 2.88) 143
福原 1回 11球 (0-0-0 / 0-0 / 4.88) 143
試合経過
打線は4回に今成の右中間へのソロホームランで先制。6回には先頭の陽川が四球を選び、横田の投ゴロで1死二塁として今成の中越えタイムリー二塁打。さらに暴投で三塁へ進んだ今成も、続く板山のショート内野安打(ピッチャー上沢が伸ばしたグラブに当たって方向が変わる)で生還。そして7回には上本の四球、緒方の右前打、陽川の四球で無死満塁として、1死後にまたしても今成が今度はレフトへの二塁打で走者一掃!3点を加えて6対0としました。
中6日で先発した秋山は1回、2回と先頭を出しながらも無失点。3回は三者凡退で、4回は内野安打を許すも併殺。6回は2死から岸里と石川慎に連打されますが、4番・近藤を真っすぐで空振り三振!7回は2死からファースト陽川のエラーがあったものの0点に抑えて交代しました。8回は筒井が1死から1番・松本に二塁打、2死後に四球も与えるも無失点。9回は福原が三者凡退で締めて試合終了です。
掛布監督は秋山を絶賛!
この日の勝ちでリーグ単独トップの8勝目となった秋山投手。本人のコメントをと思ったら、掛布監督の話を聞いている間に早くもバスの中。通りかかった望月投手に頼んでみたところ「秋山さんが、こうやっていました」と右手親指を立てて見せてくれます。なるほど、いい出来だったってことですね。じゃなくて!何か言葉を~とバスの窓越しにジャスチャーで話しかけたら…秋山投手もとびっきりの笑顔で親指を(笑)。
でも、とりあえず「継続できてよかったです」というコメントはもらえました。前回7月30日が8回4安打無失点、今回は7回5安打無失点ですからね。掛布監督も「素晴らしいね!右のインコースへシュート気味にいく球、意識して投げていると思うけど、あれがあるからタテに割れるカーブが効くんだろうね。悪かった時はカーブを投げ切れずに反省していたが、緩急の使い方が非常にうまい。バッターにタイミングを作らせない」と絶賛でした。
さらに「きょうは、すべて秋山が主導権を握っていたでしょう?素晴らしい。カーブも、外の真っすぐも精度が高い。安心して見ていられる。危ないゾーンにボールが入っていないから、長打を打たれる感じがしないもんね。ほんと、今1軍で投げられるくらいじゃないの?」と絶賛は続きます。今週はソフトバンク、中日との6連戦で「秋山のいいピッチングが3試合続けば、評価も上がる。次の登板じゃない?」と監督。次回の内容が大事ということですね。
「初心に戻った」と今成
朝からずっとハイテンションだった今成選手は、試合でもソロ1本とタイムリー二塁打2本の3打席連続安打!しかも最後は満塁の走者を一掃する二塁打で計5打点と大暴れしました。「自分のやるべきことをやっていくだけです」。鎌ヶ谷でプレーするのは移籍後初?「はい。初心に戻ってやりました。昔から一緒にやっていた人もいる中で、結果が出せてよかったです」
恩返しになった?「1軍でやらないと」。日本ハムとはフェニックスリーグでも対戦していますが、鎌ヶ谷は本当に久しぶりだったそうで「選手というよりコーチとか、裏方さんとか、懐かしい人ばっかり」と今成選手。グラウンドでも、建物内の廊下でも、常に誰かに挨拶をしていた気がします。自分自身への活力になったでしょうね。
4日まで1軍にいた緒方選手は伊藤隼選手と入れ替わってファームへ。6日、7日とも2番レフトでフル出場しています。6日は最初の2打席が三振だったものの、3打席目と4打席目は連続ヒット。「もう一回しっかりやって呼んでもらえるように。そういう気持ちで臨みました」。ただし5回2死から中前打するも、陽川選手への初球で盗塁失敗。それに関しては「1軍に上がって、牽制とかいろいろ怖さもあったので多少強引でも積極的にいった」と緒方選手。
掛布監督は「いつでも走ってOKのサインだけど、Thisボールじゃないから、もう1球待ってもよかったかな。陽川のガツンってのもあったかもしれないし。余裕を持って、もう少し大人にならないとね」と話しています。
また4回の守備で4番・近藤選手の打球をレフトファウルゾーンへ追いかけ、素晴らしいランニングキャッチ!その前の3回の打席で見逃し三振に倒れ「外のボール球をストライクと言われて不服だったけど(あとの打席は)切り替えられてよかったです。あの守備も切り替えていたからですかね。チームも自分も流れに乗っていけたと思います」と振り返りました。
<2戦目は1点差で逃げ切って連勝!>
翌7日は少し雲が多く、ほんの一瞬ずつとはいえ強烈な日差しを遮ってくれるのが救いでした。ただし、うだるような暑さは変わらず。コーチも選手たちも、朝の練習だけでもう顔や腕が日焼けしています。この日の先発・望月投手は、もともとすぐ赤くなるという鼻の頭が今回も真っ赤になって、試合後に顔を合わせた時は私が何か言う前にパッと鼻を手で隠しました。笑いながら。
試合はともに8安打ずつ、2対1で阪神が勝っています。
《ファーム交流試合》8月7日
日本ハム-阪神2回戦 (鎌ヶ谷)
阪 神 101 000 000 = 2
日ハム 001 000 000 = 1
◆バッテリー
【阪神】○望月(4勝2敗)-二神-高宮-福原-S筒井(4勝5S) / 清水
【日本ハム】●中村(4勝4敗)(4回)-武田勝(4回)-屋宜(1回) / 石川亮
◆二塁打 陽川
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]二:上本 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 1) .325
〃二:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .217
2]左:緒方 (5-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .265
3]三:陽川 (3-1-0 / 1-2 / 0 / 0) .309
4]中:横田 (4-2-1 / 1-1 / 1 / 0) .303
5]一:今成 (3-2-1 / 0-2 / 0 / 0) .338
6]指:西田 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .226
〃打指:梅野 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .203
7]捕:清水 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .308
8]遊:植田 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 1) .129
9]右:俊介 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .257
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
望月 5.2回 98球 (6-4-2 / 1-0 / 3.76) 151
二神 1回 19球 (1-2-0 / 0-0 / 0.95) 144
高宮 0.1回 3球 (0-1-0 / 0-0 / 2.00) 135
福原 1回 15球 (1-1-0 / 0-0 / 4.68) 144
筒井 1回 16球 (0-1-0 / 0-0 / 2.80) 143
試合経過
2戦目も阪神が先制。1回に緒方の右前打、陽川の四球などで1死一、二塁として横田が右前タイムリー!3回は2死から陽川と横田が連続で四球を選び一、二塁となり、前日に大活躍の今成が左前タイムリーを放って2点目。一方、中8日で先発の望月は1回、2回と1安打ずつ許しながら0点に抑えていましたが、3回に松本をショート植田のエラーで出し、岸里の右前打で三塁へ。岸里の二盗と横尾の三振で2死二、三塁として4番・近藤の二ゴロの間に1点返されます。
4回は宇佐美に四球を与えるも自身の牽制で刺すなど3人で片づけ、5回はヒット2本とセカンド上本の送球エラーもあって1死満塁のピンチ。ここで近藤を140キロのフォークで空振り三振に!続く高濱は一ゴロ、ホッとした笑顔でベンチに戻ります。6回は2死を取ってから8番・平沼にショート内野安打を許したところで降板。二神が石川亮を空振り三振に切って取り0点で終わりました。
なお、こちらの打線も4回以降、毎回ランナーを出しながら追加点がありません。特に武田勝に代わった5回は横田の中前打と盗塁、今成の死球、代打・梅野の四球で2死満塁としますが無得点。8回までで12残塁を数えました。9回は屋宜の前に三者凡退。そして投手陣は二神が7回途中まで、そのあとは高宮、福原とつないで、9回は筒井が三者凡退。1点のリードを守って逃げ切り勝ちです。
伸び盛りの19歳 あとは変化球を
掛布監督は望月投手について「100球をメドにしていたし、あそこまで踏ん張れれば十分でしょう。投げる度にいいものを出してくれる。あとは変化球の精度だろうね。どれだけ制度を上げられるか。そしたら真っすぐが速く見えるだろうし、生きてくる。もう少し長いイニングも投げられるだろう。特にカーブ、スライダーのどちらかが入れば、もっと楽にカウントをカウントを組み立てられる。バッターに脅威だと思うよ、入ってくれば」というコメントでした。
プロ最多の98球を投げた望月投手は「いつもピンチで打たれるところがあるので、ランナーが出た時のピッチングを先週から意識して練習していました。いつもピンチで力が入ってしまうから」というわけで、この日はそれを意識して投げられたようです。力も抜けていた?と聞かれ「はい」と答えています。ピンチをしのいだ5回は、清水選手のリードも含めてバッテリーに拍手です!
「もっと早いカウントで変化球もしっかり意識していければ、イニングも球数もいい方向にいくかなと思います」と望月投手。久保投手コーチもやはり「変化球ですね」と、監督と同じ言葉でした。「コントロールも含めて変化球が課題。真っすぐだけでは難しいからね。何か1つでいいから変化球が決まれば大きく変わる」。この日は5回でもまだ真っすぐは150キロ前後が出ていたし、未知数の部分が楽しみな右腕に首脳陣の期待は広がります。
貴重な打点、横田&今成
この日もタイムリーを含む2安打に2四死球で2試合とも勝利に貢献した今成選手。「得点圏でしっかり打てているので、それを継続していきたいですね」。1回の右前打は初球を打ったもので「きのうの反省を生かして1球目からいきました」とのこと。
帰り際もファイターズの球団スタッフの方々が見送りに来られ、1人1人に感謝を述べてバスへ。やっぱり鎌スタに来てテンション高かったですよね?とスタッフの皆さんに聞いてみたら「亮太はいつも高い!」と笑っておられました。おっしゃる通り、今やタイガースになくてはならないムードメーカー。早く1軍で盛り上げてもらいましょう。
最後は横田選手。1回に先制タイムリーを放ち、2安打1打点で「チャンスに打てたのでよかったです」と言いつつ「最近ずっと試合はもう少しなんで、練習通りやれるように頑張ります」という言葉も続きました。そして「調子は悪くないから、しっかり継続していきたい」と。1軍に行って取材機会も増えたせいか、ちゃんと“受け答え”になっている今季の横田選手です。まあバリエーションはまだ少なめですけどね(笑)