現代シリアの歴史/アサドからアサド(3)
国内での権力基盤を固めたハーフェズは、隣国レバノンへと影響力を伸ばした。このレバノンというのは、歴史的にはシリアの一部と考えられていたことは既に見た。フランスがシリアから切り離してレバノンを独立させた理由についても触れた。キリスト教徒優位の地域を確保するためであった。レバノンは宗教の博物館と呼ばれるほど多くの宗派が存在する。その山岳地形が少数派の生き残りを助けたからであろう。キリスト教系ではマロン派、ギリシャ正教、ギリシャ・カトリック、ローマ・カトリック、アルメニア正教などがある。そしてイスラム教系ではシーア派、スンニー派、ドルーズ派などである。全て合わせ18宗派がある。独立後のレバノンでは宗派ごとに権力を分割して割り振るシステムが採用された。
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