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ロジクール「MX KEYS MINI」 テンキーなしの高級キーボードに新たな選択肢が登場

山口健太ITジャーナリスト
テンキーなしモデル「MX KEYS MINI」。マウスは別売(筆者撮影)

在宅勤務やステイホーム生活でキーボードにこだわる人が増えている中、周辺機器メーカーのロジクールは新製品の「MX KEYS MINI」を発表しました。「テンキーなし」の高級キーボードに新たな選択肢が加わった形です。

ロジクールのキーボードとして、ゲーミング向けを除けば最上位モデルとなる「MX KEYS」が発売されたのは2019年9月。それから2年、ついにテンキーを省略した省スペース版であるMX KEYS MINIが2021年11月11日に発売されます。

キーボード右側のテンキーを省いたことで本体の幅は約70%にまで狭くなり、省スペースになりました。マウスの位置が近くなり、手が届きやすいのは分かりやすいメリットといえるでしょう。

テンキーがないとマウスが近くなり、より自然な姿勢でディスプレイに向き合える(ロジクール提供資料)
テンキーがないとマウスが近くなり、より自然な姿勢でディスプレイに向き合える(ロジクール提供資料)

さらに隠れたメリットとして「姿勢」への影響もあります。テンキー付きのキーボードとマウスを画面の前に並べると、ホームポジションはどうしても左に寄ってしまいます。かといってホームポジションを基準にキーボードを置くと、今度はマウスが遠くなり、姿勢に無理が生じてくるのです。

とはいえ、テンキー自体は便利なものです。コロナ禍の在宅勤務需要では、単体のテンキー製品が飛ぶように売れたといいます。仕事にテンキーは欠かせないという人でも、MX KEYS MINIなら必要になったときだけテンキーを置き、不要になったら片付けることで机の上のスペースを節約できます。

テンキーなしのキーボード自体は珍しくないものの、スマホ用など持ち運び重視のモデルは品質や使い勝手が物足りない印象でした。一方、仕事利用を想定した高級モデルの売れ筋はやはりテンキー付きです。テンキーなしのMX KEYS MINIの登場まで、だいぶ時間はかかりましたが、貴重な選択肢が増えたことをまずは歓迎したいところです。

重量感のある本体、タイピングの安定感も魅力

MX KEYS MINIの第一印象は、どっしりとした重量感です。本体は503gと重く、気軽に外に持ち出すことは難しそうですが、机の上で激しいタイピングを続けた場合でもビクともしない安定感があります。

キーの表面は球状に凹んでいて指先にフィット。キーを押し込むと適度な反発があります。打鍵音はノートPCのように控えめで、夜間の自宅作業でも問題ないでしょう。押し込む深さは1.8mmとそれほど深くはなく、ノートPCのキーボードと交互に使っても違和感は少ない印象です。

MX KEYSとの違いとして、ビデオ会議に使えるマイクの「ミュート」キーなど一部の機能が変わっています。PCとの接続は基本的にはBluetoothで、新レシーバー「Logi Bolt」にもオプションで対応します。ロジクール製品のユーザーに馴染み深い「Unifying」に非対応となった点は注意したいところです。

オンライン直販価格は1万3860円(税込)と、MX KEYSよりは少し安いものの、なかなか高価です。ロジクールが想定するのはソフトウェア開発者やクリエイター、アナリストといった人々。そこまで大げさに考えなくとも、毎日仕事でキーボードを多用するなら試す価値のあるモデルといえるでしょう。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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