2年に一度、投票により中央区を代表する土産品を選ぶ「中央区推奨土産品～Central Tokyo Premium Selection～」。第2回となる今年の「食部門」は、激戦だったそうです。その中で、見事「中央区推奨土産品」に選ばれた、人形町で140年以上の歴史がある老舗店「寿堂」の「黄金芋」。筆者も大好きな和菓子です。

人形町通りの水天宮に近いところに面した店舗は、藍色の暖簾が下がる趣のある佇まいです。中央区に老舗の和菓子店は数多くありますが、現代風に改築されているところがほとんどなので、寿堂のように座売りなど昔ながらの様子を今に伝えてくれる店は貴重な存在ですね。筆者は店舗入り口にある、ショーウィンドーを覗くのが楽しみになっています。小さな空間に、四季折々の和菓子や小物が展示されているのですが、季節感が薄れていく現代において、忘れていた日本の季節行事を思い出させてくれます。

そして、こちらが「黄金芋」です。さつまいもの形をした黄身餡にニッキがまぶしてあります。初めて食べたのは20年位前になりますが、口に含んだ時のニッキの風味と黄身餡の優しい甘さが素晴らしく美味しくて、以来ずっと黄金芋もファンです。驚いたことに、黄金芋は明治30年ごろに作られた100年以上販売され続けている和菓子だそう。昔から食べられている和菓子は素朴なものが多いイメージですが、黄金芋は味も見た目もパッケージも、現代でも古さを感じず、むしろ菓子目録の書かれた紙袋や和紙風の黄金色の包み紙は「オシャレ」と感じるものです。本当に良いものは、時代を超えて愛されるということを証明してくれています。

黄身餡のお菓子はいろいろありますが、ニッキをまぶした「黄金芋」は他にはないオリジナリティのある味わいです。「中央区推奨土産品」に選ばれたことに納得です。土日祝日も営業しているところがありがたいですね。10日ほど日持ちがするので、お土産にピッタリの和菓子です。

【寿堂】

住所：東京都中央区日本橋人形町2-1-4

電話番号：03-3666-4804／ﾌﾘｰﾀﾞｲﾔﾙ0120-480-400

営業時間：日曜日、祝日9:00-17:00／月～土曜日9:00-18:30

休業日：なし