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エンジェルスがDFAとした投手をリーグ最高勝率のチームが獲得する。藤浪晋太郎とともに新天地で活躍!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイコブ・ウェブ Jul 2, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月7日、ボルティモア・オリオールズは、ロサンゼルス・エンジェルスからジェイコブ・ウェブを手に入れた。

 エンジェルスは、この2日前にウェブをDFAとした。オリオールズは、ウェーバー公示中のウェブに対し、獲得の名乗りを上げた。

 5月下旬にAAAから昇格後、DFAとされるまでに、ウェブは29登板の31.2イニングで奪三振率9.66と与四球率5.68、防御率3.98を記録した。前の投手から引き継いだ走者22人のうち、半数の11人にホームインされている。降板時に残していった走者7人は、いずれも生還していない。

 オリオールズは、オースティン・ボースを15日間の故障者リストから60日間の故障者リストへ移し、ウェブを40人ロースターに入れた。さらに、8月8日には――8月7日は試合がない――ブルペンの誰かと入れ替え、ウェブをアクティブ・ロースターに入れるはずだ。ウェブのマイナーリーグ・オプションは、すでに切れている。降格となるのは、コール・アービンジョーイ・クレイブルのどちらかではないだろうか。

 後半に入り、オリオールズが他球団から獲得してブルペンに加えるのは、藤浪晋太郎に続き、ウェブが2人目となる。藤浪は、オークランド・アスレティックスから移籍後、8登板の8.2イニングで奪三振率11.42と与四球率5.19、防御率3.12を記録している。サンプル数はわずかだが、奪三振率は移籍前より高く、与四球率と防御率は移籍前より低い。

 スタットキャストによると、ウェブの4シームは藤浪の4シームほど速くないものの、回転量が多く、空振り率は勝る。

 オリオールズでは、離脱中のリリーバー2人、マイケル・ギブンスキーガン・エイキンが今月中に復帰しそうだ。どちらも、マイナーリーグでリハビリ登板を始めている。ウェブを入手したのは、彼らが戻ってくるまでのつなぎ、ということかもしれず、ここからの投球次第ではDFAもあり得る。

 オリオールズは、ここまで、ア・リーグ最高の勝率を記録している。7年ぶりのポストシーズン進出のみならず、40年ぶりのワールドシリーズ優勝も夢ではない。ウェブは、アトランタ・ブレーブス時代の2021年に、ワールチャンピオン・リングを手にしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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