まさか意外な特徴?自律神経失調症になりやすい人とは!うつ病との『共通点』についても解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「何となく身体の不調が続いている」「気持ちが沈む」「頭がぼんやりしてやる気が起きない」などといった症状が長期間続いていると、病気ではないかと心配になりますよね。
もしかすると、「自律神経の乱れ」が原因でそのような症状が現れているのかもしれません。
自律神経が乱れると、慢性的な疲労やだるさ、めまいなどの身体症状のほか、気分の落ち込みやイライラなどの精神症状が現れるようになります。
このような状態が長く続き、生活にも支障が出ている場合、自律神経失調症を発症している可能性があります。
自律神経失調症はうつ病にも似ているので、自分の症状がどちらによるものなのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自律神経失調症になりやすい人の共通点や予防法、うつ病との関係について紹介します。
自律神経失調症になりやすい人の共通点
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより発症します。
自律神経のバランスが崩れる原因は主に、生活習慣が乱れている、ストレスが多いなどが挙げられます。
下記で自律神経失調症になりやすい人の共通点を紹介します。
- 不規則な生活を送っている
- 睡眠時間がバラバラで寝不足が続いている
- 運動をあまりしない
- 食事の栄養に偏りがある
- 過剰な飲酒や喫煙をしている
- ストレスを多く抱えている
- 長時間のデスクワーク作業が多い
上記に挙げたように、自律神経失調症は生活習慣の乱れ、食生活の偏り、運動不足、睡眠不足などが関係しています。
症状を発症していても、生活習慣の見直しによって身体の不調を改善させることができます。
しかし、夜勤が多いなど勤務時間の関係でなかなか生活リズムを正すことが難しい人もいるかと思います。
自律神経のバランスが崩れたまま放っておくと別の精神疾患を引き起こす恐れがあるので、症状が強くでている場合は無理をせずに病院を受診しましょう。
自律神経失調症の原因
良質な睡眠を十分にとれていない
通常、私たちの身体は夜間になると副交感神経が優位になり、リラックス状態にさせて睡眠へと導こうとします。
しかし、夜更かしをしたり休日にずっとベッドで過ごしたりしていると、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなり、「寝ても疲れが取れない」「頭がぼんやりする」という状態に陥ります。
この状態が続くと夜に眠れなくなり、寝ても途中で覚醒してその後寝付けないなどといった睡眠障害になる可能性があります。
また、仕事などのストレスによって自律神経が乱れ交感神経が活発になると、心と身体が常に緊張状態になります。
その結果、就寝時刻が近づいても眠れず睡眠不足に陥り、自律神経のバランスが更に乱れるといった悪循環に繋がる恐れがあります。
運動不足と姿勢の悪さ
運動不足と姿勢の悪さが自律神経失調症を引き起こす場合もあります。
デスクワークが多い人や運動を普段からあまりしない人は、首や肩周りの筋肉が凝り固まりやすく、姿勢が悪くなる傾向があります。
姿勢が悪いと骨盤や背骨に負担がかかるだけではなく、血流が悪くなり、あらゆる身体の不調につながります。
また、「深い呼吸」は自律神経にとって重要だと言われていますが、骨格が歪んでいると胸椎や胸郭の動きにも問題が生じるため、呼吸がしにくくなり浅い呼吸の原因になります。
呼吸がうまくできていないと、酸素や栄養が全身に行き渡らず、自律神経のバランスを崩してしまう可能性があります。
栄養バランスの偏り
お菓子やジャンクフード、カップ麺などを毎日食べている人は十分な栄養を摂れていない可能性があります。
糖分・塩分の摂りすぎ、カフェインやアルコールの過剰摂取などは自律神経の乱れを引き起こす原因になるので注意が必要です。
糖分の過剰摂取は血糖値の急激な上昇を引き起こし、それを下げるために膵臓がインスリンというホルモンを出します。
血糖値が下がりすぎると今度は交感神経が優位になるため、副交感神経とのバランスが崩れやすくなるのです。
このように、特定の調味料や飲料を過剰摂取することや、栄養バランスの偏りは自律神経失調症を引き起こす原因になります。
ストレスが多い
自律神経のバランスが乱れる代表的な原因のひとつとして、「ストレス」が挙げられます。ストレスが多い環境に晒されていると身体がストレスと戦うために交感神経が活性化して、副交感神経の働きが抑制されます。
その結果、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり自律神経が乱れやすくなるのです。
日常の中でストレスを溜め込みやすい人、ストレスをうまく発散できない人、もとからストレス耐性がない人は自律神経失調症になりやすいので注意が必要です。
血圧と自律神経失調症の関係
血圧と自律神経失調症はとても深い関わりがあります。
交感神経は身体のストレスに反応して血圧や心拍数を上昇させる一方で、副交感神経はリラックス状態のときに血圧と心拍数を下げる働きをします。
自律神経失調症とは、この二つの働きのバランスが崩れることで発症し、血圧の変動がうまくいかないなどの身体症状が起こります。
自律神経失調症の症状のひとつに立ち眩みやめまいがありますが、これは交感神経が過剰になりすぎて血圧が上昇したことで引き起こされます。
急に起き上がったときに、過剰になり過ぎた交感神経が逆に作用して血圧が急激に下がり、立ち眩みやめまいが起こるのです。
また、ストレス状態が続いていると血圧が上昇しやすくなるだけではなく心拍数も上昇してしまうので、心臓への負担も大きくなります。
自律神経失調症とうつ病には共通点がある?
自律神経失調症とうつ病は異なる病気ですが、似ている症状や共通点もあるため混同されることがあります。
共通点としては、症状が似通っている点が挙げられます。
たとえば、「体がだるい」「慢性的な疲労が続いている」「やる気が起きない」「不眠」などといった症状はどちらにも現れる可能性があります。
また、精神的なストレスを原因に症状が引き起こされるという点も似ています。
自律神経失調症とうつ病の違い
自律神経失調症とうつ病は似ている症状もありますが、根本的に異なるものです。
自律神経失調症は、内臓や器官の不調などといったはっきりとした病変が現れるわけではないので、自律神経失調症を診断するための検査や明確な診断基準はありません。
一方、うつ病は医学的に認められている精神疾患なので明確な診断基準が存在します。
また、自律神経失調症は自律神経の乱れやストレス、ホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。
それに対してうつ病は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質が減少することにより引き起こされると言われています。
うつ病の場合、深い絶望感や死を意識するほどに追い詰められた感情など「一定のレベルを超える精神状態」という、自律神経失調症にはない特徴があります。
自律神経失調症の予防法
自律神経失調症を予防するためには、「生活習慣の改善」「適度な運動」「ストレス解消法を見つけて実践する」ことが大切です。
自力で生活習慣を改善することはなかなか難しいかもしれませんが、普段食べる食事を少し意識してみたり、通勤時になるべくエスカレーターではなく階段を使うようにするなど、日常の中に取り入れるだけでも十分効果があります。
ストレス解消法は散歩や入浴、体操などがおすすめですが、植物やペットを育てたり音楽を聴いたりするなど、自分が心からリラックスできるものを取り入れると良いでしょう。
まとめ
自律神経失調症は、生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足、運動不足などさまざまな原因によって引き起こされます。
症状を改善するには、規則正しい生活や適度な運動、十分な睡眠、栄養バランスの良い食事が大切です。
これらの生活を続けていけば、自律神経のバランスが良くなり身体の不調を治すことができます。
うつ病と症状が似ている点があるため間違われることもありますが、この二つは根本的に異なるものなので、より詳しく知りたい場合は病院の先生に診てもらうとよいでしょう。
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