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実在したUFO「アブロカー」そのヤバすぎる性能とは!?開発費100億円で計画凍結の驚愕な理由を紹介

アブロカー©Wikipedia

皆さんはUFOを見たことはありますか?もしかすると、それは本物のUFOだったかもしれません。なぜなら、実は過去にアメリカは空飛ぶ円盤の開発を行っていたのです。

本記事では、実在した幻のUFO「アブロカー」の物語をご紹介します。

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■米軍の肝入り革新兵器「空飛ぶジープ構想」

アブロカーの将来イメージ図©Wikipedia
アブロカーの将来イメージ図©Wikipedia

冷戦時代のアメリカ軍極秘プロジェクトであるその名は「アブロカー」。見るからにUFOですが、この飛行物体はSF映画などのために作られたものではありません。1950年代にカナダのアブロカナダ社によって製造された、実験的な航空機です。アブロカーは垂直離着陸が可能であり、滑走路を必要としません。形状は、当時人気のあったUFOの概念に似ていたため、空飛ぶ円盤と呼ばれていました。

それでは、アブロカーのメカニズムをご説明します。機体の直径5.486m、高さ2.34mの完全な円形で、ターボジェットエンジンを3基搭載していました。各エンジンは機体の中心部に向かって吹き出し、中央には直径1.5mの大型ファンが回っています。機体には複数のダクトが設けられており、そこから空気を噴射することによって円盤は宙に浮き、いかなる方向へも進める仕組みです。現代風に言うと、ファンが一つしかないドローンのようなイメージですね。操縦席は機体中央に位置しており、二人乗りの設計でした。

アブロカーの目標は、乗組員を含めて合計450 kgのペイロードを運び、最高速度は時速483km、最高高度は3kmを達成することでした。アメリカ軍は、アブロカーの完成の暁には、「空飛ぶジープ」のような小型の垂直離着陸輸送機を実用化しようと目論んでいたそうです。アメリカ軍関係者の多くは、アブロカーが軍の革新的発明の次の目玉になると本気で信じていました。

■実態は残念過ぎるUFOだった!?

アブロカー©Wikipedia
アブロカー©Wikipedia

しかし、皆さんも予想できたかもしれませんが、アブロカーの開発は前途多難な道程となります。アブロカーの到達高度は1.5メートルが限界で、それ以上高くなると機体が不安定となり制御不能に陥ってしまうのです。速度は時速56kmが限界だったようです。結局、アブロカーはホバークラフトなどと同じで、「エアクッション効果」で浮上していたにすぎず、航空機と呼べるような代物ではなかったのです。パイロットがコックピットから転げ落ちることもあったそう。不憫で見ていられませんね。やはり、ドローンのファンは4つは必要ということなのだと思います。

しかも、コックピットの両脇にジェットエンジンを搭載しているため、パイロットは騒音と熱気に蝕まれ、飛行は最長でも15分程度しかできなかったそうです。地獄のような戦闘機ですね。しかも、音が大きすぎて敵にすぐ位置がバレてしまい、戦闘に投入するには不向きと判断されたんだとのことです。なんでこんなことになってしまったのでしょうか。やはり、UFO人気にあやかろうとして、円盤に固執してしまったからでしょうか。

■開発費100億円を投じるも計画は凍結に、、

オハイオ州の博物館に展示されたアブロカー©Wikipedia
オハイオ州の博物館に展示されたアブロカー©Wikipedia

その結果、1961年には残念ながら開発中止が決定し、歴史の闇に埋もれてしまいます。結果として、アメリカ軍はアブロカーの開発に1200万ドルもの予算を注ぎ込んだのことでした。現在の価値でいうと、約100億円と見込まれています。製作された2機の試作機は、廃棄されずに今も博物館で展示されているとのことです。個人的には、アブロカーが自由に空を飛び回り、民衆からUFOだと指を刺される光景が見たかったですね。

ちなみに、プラモデルも発売されておりますので、ご興味のある方は是非購入してみて下さい。もし本気でアブロカーを完成させたい、という方がいらっしゃいましたら、2012年にアメリカの国立公文書記録管理局が、今まで秘密にしてきたアブロカーの機密を解除しています。そちらの情報を参考にして頂けると、あなただけのアブロカーで空を飛ぶこともできるかもしれません。

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