横田が2ヶ月ぶりの第5号!青柳は2ヶ月ぶりの2軍登板、島本も復帰《9/21 阪神ファーム》
台風の影響で20日は中止になったウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)。21日は予報と違って夕方から本降りになったものの、問題なく試合が行われました。
先発・青柳投手は7月1日のオリックス戦(舞洲)以来、2ヶ月と20日ぶりのファーム登板です。しかも鳴尾浜で投げるのは5月11日のオリックス戦でリリーフ登板して以来。先発となるとウエスタン開幕直後、3月19日のオリックス戦で公式戦初先発して以来だったわけですね。
2ヶ月ぶりといえば横田選手にも、7月27日の社会人クラブチーム・和歌山箕島球友会戦以来、公式戦では7月12日の広島戦(由宇)で放った第4号以来のホームランが出ました。また左肩痛で登録を抹消されていた島本投手が実戦に復帰、1イニングをピシャリと抑えています。
なお試合は打線が2回に先制、追いつかれたものの7回に4点を加えて勝利。ただし、青柳投手が4回で7四球と1死球、横山投手は3回0/3で6四球の計14四死球という内容で…。思わずリーグ記録を調べたら、まだ余裕がありました。2001年8月29日にサーパス(現オリックス)が阪神戦で与えた17四球が最多。先発した川口知哉投手の1試合15四球、さらに1イニング7四球もウエスタン記録です。
では、試合の詳細をどうぞ。
《ウエスタン公式戦》9月21日
阪神-オリックス 27回戦(鳴尾浜)
オリ 000 200 001 = 3
阪神 020 000 41X = 7
◆バッテリー
【阪神】青柳-島本-○横山(2勝)-桑原 / 小宮山-岡崎(6回~)
【オリ】●斎藤綱(3勝7敗)(7回)-佐野(1回) / 田中-赤松(8回裏)
◆本塁打 横田5号3ラン(齋藤綱)、今成3号ソロ(佐野)、川端1号ソロ(横山)
◆二塁打 宮崎
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]右:伊藤隼 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .274
〃打左:ペレ (1-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .313
2]二:森越 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .226
3]左中:江越 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .206
4]中右:横田 (3-1-3 / 0-1 / 0 / 0) .264
5]一:新井 (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .310
〃一:西田 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .244
6]三:今成 (3-1-2 / 2-0 / 0 / 0) .292
7]指:緒方 (4-3-0 / 1-0 / 0 / 0) .290
8]捕:小宮山 (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .247
〃捕:岡崎 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .148
9]遊:植田 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .151
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
青柳 4回 95球(2-3-8/ 2-2 /4.19) 141
島本 1回 9球(0-1-0/ 0-0 /5.40) 143
横山 3.0回 80球(2-0-6/ 1-1 /3.33) 145
桑原 1回 5球(0-0-0/ 0-0 /2.16) 144
<試合経過>
阪神は2回に先制。横田の四球と新井の左前打、暴投で無死二、三塁となり今成が左犠飛!続く緒方の左前打で1死一、三塁として小宮山は右犠飛で計2点を取りました。一方、1回は2四球で2回は1四球、3回が2四死球と毎回走者を出しながら0点に抑えていた青柳。しかも無安打です。しかし4回には3四球で2死満塁としてしまい、ここで9番・田中に初ヒットとなる左前タイムリーを浴びます。続く小田にも詰まった当たりの右前タイムリーで同点。
5回は島本がクリーンアップを9球で三者凡退に!ところが3人目の横山も6回に1四球、7回は2四球と制球が定まりません。でも追加点は与えず、7回の裏に打線が勝ち越します。1死から植田が右前打、ペレスは四球を選んで無死一、二塁。森越の右飛で1死一、三塁となって江越が左前タイムリー!続く横田が初球のカーブ(102キロ)をライトへ3ラン!6対4と引き離しました。
8回の横山は四球を1つ与え、代打・宮崎の左翼線二塁打などで2死二、三塁としてからまた四球で満塁。このピンチは鈴木昂を右飛に打ち取ってしのぎ、その裏に先頭の今成が右中間へソロホームランを放って1点追加。すると今度は横山が9回、先頭の川端に左中間へソロ。次のボグセビックに四球を与えたところで降板です。代わった桑原は武田を中飛、モレルは二直併殺で試合終了。
修正しきれなかったことを反省
久しぶりに鳴尾浜で試合後の囲み取材をした青柳投手は、まず「ストライクが入らなかった、というところですかね…」という言葉。その前、グラウンドを引き揚げる際に「きょうはノーコメントで」と言っていたのですが、ちゃんと答えてくれました。
「いつもと同じ感覚でいたんですけど、変化ひとつにしても曲がりが大きくなって修正できなかったのが一番の反省。右バッターが多いのはわかっていました。これまでやってきたことをやろうとしたのが、逆にいってしまった。いつも通り投げようとした結果が、悪かったです」
次の登板に関しては「言われていませんが、(1軍の先発を)飛ばされたということで…。呼んでもらえるなら勝てるようにやりたい」とのことでした。なおトレードマークの青いグラブが、今は黒になっている青柳投手。「僕のクセが青だと見えやすいので、京セラドームの中日戦(8/13)から黒に変えました。色以外は変えていません。形も一緒です」
掛布監督は「彼らしいピッチングだよね」と苦笑いしつつ「でも、あそこまで四死球が出ちゃうとゲームを作れない。苦しい展開になる。攻撃のリズムも悪くなって追加点が取れないしね。それと4回で100近い球数も課題。守ってる野手も大変だよ。それが彼だけど、ちょっとバラつきが多かった。修正しきれなかった」と言います。そして「緊張感も違うのかな。1軍のあの感じとは。ここは久しぶりでしょ?まあ、それにしてもね」と最後もやはり苦笑気味の監督です。
2人合わせて14四死球なんて珍しいと話を振ったら「すみません」と、申し訳なさそうな久保投手コーチ。「青柳の8四死球、横山の6四球…コントロールが悪いです」と言葉は少なめでした。
島本は笑顔の復帰登板
左肩痛で9月3日に1軍選手登録を抹消され、ファームでトレーニングをしてきた島本投手。この日は5回に登板し、わずか9球で3番・駿太からを完璧に抑えています。ここまでフリー打撃には投げていますが、実戦形式は故障後初。「全然問題なかった。肩も大丈夫です。ピッチングはずっとしていたしBPもやったけど実戦は久々でした。無事に終わってよかったです」
この日の投球を振り返って「きょうは真っすぐが少なかったので、もうちょっと真っすぐでファウルを取ったりできればなと思いました。きょうは投げられてよかったということで、次から真っすぐ主体で投げていきたいですね」と言っていました。残り6試合となってしまった1軍ですが「来年のためケガしない体を作りたい」と話しています。
早期に判明して軽傷だったとはいえ、こういう離脱もなくし、来年はシーズン通して1軍戦力でありたいと願う島本投手でした。
常に必死の横田 オトナの発言?
最後は横田選手です。最初にも書いた通り、ホームランは7月27日の和歌山箕島球友会戦(鳴尾浜)以来。公式戦だと7月12日の広島戦(由宇)で打って以来となります。昨年は公式戦で9本でしたが、これで5号。「ホームランは別にいいんです」と言いながら、なかなか出ないことを本人も少しは気にしていたでしょうね。
「ずっと打っていなかったので…。残り少ないですし、ここで終わるのか、自分の変わったところを見せるのか」
そんなことを考えたと言います。このコメントに横田選手の成長を感じたのは私だけじゃないはず。そして「掛布監督の期待しているホームランが打てて、少しはよかったです」と続けました。勝ちを決める3ランでしたね。「江越さんが前で打ったというのもあります。ファームでも競争の気持ちを忘れずにやっているので」。これこれ、これぞ横田選手。ターゲットはその都度変わりますが、今は江越選手のようですよ。
変化球、しかも102キロのカーブを放り込んだのも、横田選手らしい。「いつもファーストゴロかファウルになっていたんで、あそこまで飛ばせたのは練習の成果もあると思います。継続してやっていきたい」。なお、特に変化球を打つための練習をしているわけではなく「真っすぐの変化球も自分のスイングで打つ」ことを心がけています。
久々のホームランでも笑顔があまりなかったと言うと「常に必死です!」と答え、自分で「おっ」という表情でニヤリ。「いい答えだったかも」ってな感じですかね。そういえば1軍の遠征時、タクシーに乗るのを見て「1人で行くの?」と聞いたら「もう大人なんで。オ、ト、ナ」と返されたことがあります。また。受け答えがしっかりしてきたと感心していると「もう21歳ですから」と。そんなドヤ顔が、まだまだ可愛い横田慎太郎選手でした。