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東京マラソンと天気

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属

2007年に始まって、今年で8回目となる東京マラソン。2013年には世界トップレースの「ワールドマラソンメジャーズ」にアジアで初めて加入しました。「ワールドマラソンメジャーズ」にはボストン(4月開催)、ロンドン(4月開催)、ベルリン(9月開催)、シカゴ(10月開催)、ニューヨークシティ(11月開催)と、ランナー垂涎のマラソン大会が参加しています。

天気は4勝3敗

これまでの東京マラソンの天気を調べてみました。2009年(第3回)のみ3月開催、そのほかは2月開催で、ちょうど季節は冬から春へと移り変わるときです。そのためなのか、天気はさまざまで、これまで晴れ・くもりが4回、雨・みぞれが3回と好天と悪天が拮抗しています。

2010年はみぞれが降り、正午の気温が3.7度と東京マラソン史上最も低い気温となりました。一方で、2009年は雨とともに強い南風が吹いて、気温は15度を超えました。

東京マラソンの完走率
東京マラソンの完走率

東京マラソンの完走率(制限時間は7時間)をみると、96%から97%と安定していますが、唯一、みぞれが降った2010年は94.1%と低くなりました。東京マラソン史上最も高い97.4%を記録した2008年は晴れて、風の弱い一日でした。

マラソンの完走には個人の体調が大きく影響していると思いますが、天気と比較してみると、おぼろげにマラソン日和というのが見えてきて、おもしろいです。

絶好のマラソン日和

今年(2014年)の東京マラソンはどんな天気になるのでしょう?このところ、2回続けて週末に大雪となった東京都心。大雪が一週間ずれていたら、大変なことになっていたかもしれませんね。大雪が過ぎ去り、23日(日)は好天に恵まれそうです。

天気、気温、風を詳しくみてみると、

2014年2月23日(日)東京都心部の天気

午前9時 晴れ 気温4度 北の風3メートル

正午 晴れ 気温7度 北の風2メートル

午後3時 晴れ 気温9度 北の風1メートル

まさに完走率の高かった2008年と同じ天気です。今年の東京マラソンは本当のマラソン日和といえるかもしれません。

記録より、走りを楽しむ「東京マラソン」

時間別の完走率%
時間別の完走率%

完走記録を時間別にみると、3時間未満で完走するトップランナーは全体の約2%と、毎回ほとんど変わりません。一方で、制限時間ギリギリの7時間で完走するランナーは初回は10.2%だったのが、第3回以降、17%くらいまで増えました。

これは記録を目標としたランナーとは別に、記録にこだわらず、東京都心の風景を楽しみながら走ることを目的としたランナーが増えているからでしょう。健康のため、体力づくり、気分転換など、走る目的はさまざまでしょうが、楽しみながら走るというのは成熟した大人のマラソン大会といえるかもしれません。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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