自分をよりよく変えてくれる友人・知人の見極め方 2つのポイント
もっと人生を豊かにしたい。もっと仕事で成果を出したい。そのためにはもっと自分が変わらなくちゃいけない。もっと前向きに、もっと行動力をつけて、新しいことにチャレンジしたい。このように考える人は多いことでしょう。
しかしながら、そう簡単にはいかないもの。「自分を変えたい」と思うことは多くても、なかなか変えられない。「自分は自分だからしょうがない」「あの人のようになりたいけれど、所詮私にはムリ」などと諦めてしまう人もいるはずです。
自分を変えるためには、内発的な動機付けも必要ですが、外発的な要因も大切です。内発的な動機付けに頼っていると、どうしても自分の内側に目を向けてしまい、「やる気」にならないのは自分の責任だと、自分を責めてしまうことになります。
自分自身の力で「やる気」になることができたらいいのですが、1年も2年も経っても、なかなか自分を変えることができないのであれば、外部環境を変化させ、「やる気」ではなく「その気」になる仕掛けを作っていくという手もあります。自分ではなく、自分ではない他のものに委ねるのです。
脳には「ミラーニューロン」という、周囲の人の言動を無意識のうちに模倣してしまう神経細胞があります。緊張している人の近くにいると、自分も緊張してくるのはミラーニューロンの働きです。周囲の人がネガティブだと、無意識のうちに「感化」されていくもの。その逆もしかり。付き合う人が変われば、ミラーニューロンへの刺激が変わるため、知らないうちに脳が反応し思考パターンが変わりはじめます。
たとえばあなたがダイエットをしたいと思っているとします。60キロの体重を50キロにしたいと考えています。しかし、その話を周りにどんなに言っても、
「今のままでいいじゃん」
「ダイエットなんかしなくても、今のままでいいよ」
「10キロも減量したら、不健康になるかもしれない。かえって良くないよ」
などと言う人が周りにいれば、あなたはなかなか自分の意志力がアップできないでしょう。意志の強い人であれば、他人に宣言もしないでしょうし、ましてや「ダイエットしたいと思ってる」などと相談したり、打ち明けたりもしません。
いっぽうで、あなたを応援してくれる人も気をつけたほうがいいでしょう。
「ダイエットがんばってね。応援してる」
「きっとあなたならできる。ファイト!」
なんて言われても、意志力が弱ければ続けられません。大切なことは「感化」です。応援してくれる人から「感化」されることはないのです。その人自身が変わろうとしているかどうかが大事だからです。
また、たとえ同じ目標に向かっている人でも、好きなこと、やりたいことをやっている人からも「感化」されることはありません。たとえばあなたが英語のスキルを高めたいと考えているとします。しかし、なかなかやる気になれません。仕事の忙しさを理由に、本腰を入れて英語の勉強をできないでいます。
そんなとき、あなたに素晴らしい影響を与えてくれる人は、「英語があまり好きではないけれど、英語力を高めようと果敢に頑張っている人」です。「英語が大好きで、英語の勉強に何もストレスを覚えないような人」ではありません。同じ思考パターンではないからです。
ポイントは2つです。自分を変えてくれるような人は、
■ いま現在、同じような目標に向かってチャレンジしている人
■ 好きではないけれど、意志力でもって自分に勝とうとしている人
です。
ダイエットであれば、今まさにダイエットに向かって頑張っている人。資格や英語の勉強であれば、同じように勉強している人です。
私は研修や講師をしていますが、講師である私が受講者の皆さんに与えられるのは知識やノウハウです。どんなに情熱もって講義をしても、受講者の皆さんと同じ境遇にはなれません。ですから、私たちは必ず受講者の皆さん同士を交流させます。本人が望まなくても、「場の空気」を作るためです。
「空気」によって人は変わり、「その気」になっていくものです。本気で自分を変えたい、変わりたい、という人は、同じような境遇で、自分よりも意志力が少し高い人との交流を続けていきましょう。一週間や一ヶ月で変わることはありませんが、付き合いを続けていくことで、いつの間にか自分の価値観、思考のクセが変化していきます。