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シュワーバーがわずかに届かなかった「3年連続40本塁打」と「3年連続200三振」はどちらが稀少!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(左)とブレイク・セイボル May 5, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2022年と2023年の2シーズンとも、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、40本以上のホームランを打ち、200以上の三振を喫した。2022年が46本塁打と200三振、2023年は47本塁打と215三振だ。けれども、2024年は、40本塁打と200三振のどちらにも、わずかに届かなかった。三振の場合、「届かなかった」というのは語弊があるかもしれないが、38本塁打と197三振を記録した。

 3シーズン以上続けて40本塁打以上は、25人を数える。ベーブ・ルースの7シーズン連続(1926~32年)が最も長く、直近の2人、24人目と25人目は、2014~16年のネルソン・クルーズと2016~18年のクリス・デービス――ファーストネームのイニシャルはK――だ。

 一方、3シーズン以上続けて200三振以上は、2008~10年のマーク・レイノルズしかいない。そもそも、シーズン200三振以上は、レイノルズの3度が最多。あとの選手は、いずれも2度以下だ。

 来シーズンも、シュワーバーが190三振以上を喫すると、4シーズン連続190三振以上は、2008~11年のレイノルズと2015~18年のクリス・デービス――ファーストネームのイニシャルはC――に並び、最長となる。シーズン190三振以上が4度も最多。レイノルズとデービスの他には、連続ではなく、アダム・ダンが4度記録した。

 また、ここ3シーズンのシュワーバーの打点は、94→104→104と推移している。ここ2シーズンは、まったく同じ数値だ。3シーズン以上続けて100打点以上は何人もいるが、そのなかに、3シーズン以上続けて同じ打点は、見落としがなければ、皆無だ。

 シュワーバーは、過去2シーズンとも、異なる新記録を打ち立てている。2022年は打率.197と47本塁打を記録し、打率.200未満のシーズンに40本以上のホームランを打った初の選手となった。2023年の先頭打者ホームラン15本は、それまで最も多かった2003年のアルフォンソ・ソリアーノを2本上回った。

 もっとも、3シーズン続けて同じ打点(100打点以上)にリーチをかけているのは、シュワーバーだけではない。ここ3シーズンのホアン・ソト(現FA)の打点は、62→109→109と推移している。

 なお、現在、シーズン40本塁打以上のストリークを最も長く継続しているのは、2シーズン連続(2023~24年)の大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)だ。シュワーバーと同じく、ピート・アロンゾ(現FA)も、3シーズン連続とすることはできなかった。2022年の40本塁打と2023年の46本塁打に対し、2024年は34本塁打にとどまった。2024年に40本塁打以上は4人。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が58本塁打、大谷が54本塁打、アンソニー・サンタンデア(現FA)が44本塁打、ソトは41本塁打だ。

 2023年と2024年に、続けて200三振以上の選手はいない。2024年に200三振以上は、エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)とエジキール・トーバー(コロラド・ロッキーズ)の2人。それぞれ、218三振と200三振を喫した。彼らの2024年のシーズン年齢(6月30日時点)は、ともに22歳だった。その前にシーズン200三振以上の延べ19人は、2018年に23歳で217三振のヨアン・モンカーダ(現FA)が最も若かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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