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【オートバイのあれこれ】こんなに大きなバイク、誰が乗るんだい?

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「こんなに大きなバイク、誰が乗るんだい?」をテーマにお話ししようと思います。

このテーマを見て、ピン!ときた人はおそらく相当なバイクファンでしょう。

このセリフは、ホンダの創業者・本田宗一郎氏が『ドリームCB750Four』を初めて目の当たりにした時に思わず発した言葉です。

▲ホンダが世界で覇権を握るために打ち出した、ドリームCB750Four。宗一郎氏の“夢”を乗せたバイクだ
▲ホンダが世界で覇権を握るために打ち出した、ドリームCB750Four。宗一郎氏の“夢”を乗せたバイクだ

現在においても、カワサキのZ1/Z2と並んで特別視されることが少なくない「CBナナハン」ですが、完成した当時すでに別格のバイクだったと言って差し支えありません。

CBナナハンが発売されたのは、今から半世紀以上前の1969年(昭和44年)。

市販量産車では前代未聞の、750ccもの排気量を持つ4気筒エンジンに、レーシングマシンでしか見たことのない4連キャブレターやディスク式ブレーキ…。

▲二輪用のパワーユニットとしては史上初の、量産型並列4気筒エンジン。最初期は砂型で作られていた
▲二輪用のパワーユニットとしては史上初の、量産型並列4気筒エンジン。最初期は砂型で作られていた

CBナナハンは、世間のバイクファンたちの度肝を抜くカタ破りのオートバイでした。

そんなカタ破りマシンなわけですから、開発も一筋縄では当然いきません。

テスト走行中、エンジンパワーに耐えきれずタイヤは破裂し、ドライブチェーンもちぎれる始末で、ホンダの開発陣は専用の強化パーツを都度新たに用意してCBナナハンを市販車として形にしていきました。

▲開発中には、従来のやり方では通用しない課題が続出。それでもホンダは根気良く開発を続け、完成へ漕ぎ着けた
▲開発中には、従来のやり方では通用しない課題が続出。それでもホンダは根気良く開発を続け、完成へ漕ぎ着けた

そして’68年、当時はトライアンフやBSAなどの英国老舗メーカーが大型バイク市場をリードしていた時代ですが、ホンダはこのCBナナハンを作り上げたことで、一瞬で世界トップのオートバイメーカーへと躍り出ることになりました。

CBナナハンは、世界中で爆発的に売れたのです。

そしてここから、ホンダにとどまらず、日本の二輪メーカーが世界のバイク市場を席巻する快進撃が始まります。

’70年代以降の日本メーカーの躍進ぶりは、バイクファンの皆さんならもうよくご存知のことでしょう。

元々はイギリス製の650cc2気筒バイクを打倒するために作ったCBナナハンだったものの、結果的にはホンダを名実ともに世界一へと押し上げ、また日本のバイク産業全体を世界トップレベルへと引き上げるきっかけの存在となったのでした。

▲日本のオートバイが世界のスターダムを駆け上がる、その契機となった偉大なる名車だ
▲日本のオートバイが世界のスターダムを駆け上がる、その契機となった偉大なる名車だ

画像引用元:本田技研工業

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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