10年ぶりとなるポストシーズンに向け、ヒューストン・アストロズが超大物を動かした
ア・リーグ西地区でロサンゼルス・エンジェルスと首位を争うヒューストン・アストロズが、10年ぶりとなるポストシーズン進出、さらには球団初のワールドチャンピオンに向かって、この夏のトレード・デッドラインで意欲的な動きを見せた。
7月23日にオークランド・アスレティックスからスコット・キャズミアーを獲得し、その1週間後にはミルウォーキー・ブルワーズからカルロス・ゴメスとマイク・ファイヤーズを手に入れた。加えて、アストロズはコール・ハメルズも、フィラデルフィア・フィリーズから得ようとしていた。ハメルズがトレード拒否権を発動しなければ、先発ローテーションには、ダラス・カイクル、キャズミアー、ハメルズの左腕3人が揃っていたかもしれない(ハメルズはテキサス・レンジャーズへ移籍)。
アストロズのポストシーズンに向けての動きは、トレードによる補強にとどまらない。7月27日には、本拠地のミニッツメイド・パークで10月13日に予定されていたテイラー・スウィフトのコンサートが、9月9日に変更された。今年のポストシーズンは、10月6日に幕を開ける。一方、アストロズは9月9日にオークランドで試合を行う。
スウィフトがミニッツメイド・パークで催すコンサートは、5月5日に東京ドームでスタートした「1989ワールドツアー」の一つだ。アストロズは昨年12月に、ポストシーズンのホームゲームとぶつかるようであれば、スケジュールは変更されるとツイートしていたが、6年続けて負け越し中とあって、当時は笑い話でしかなかった。また、「1989ワールドツアー」は7月13、14日にナショナルズ・パークで開催され、8月29日にはぺトコ・パーク、10月2、3日はロジャース・センターでも行われるが、メジャーリーグの球団が本拠地とする球場で、ポストシーズンの期間中に予定されていたのは、ミニッツメイド・パークだけだった。
スウィフトの「1989ワールドツアー」がメジャーリーグで話題になるのは、ミニッツメイド・パークのスケジュール変更が2度目だ。ナショナルズ・パークのコンサートは、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)のツイートでネタに使われた(「球場の照明が落ちた原因はテイラー・スウィフト? それとも'''ブライス・ハーパー'''が使ったドライヤーのせい?」)。
ややこじつけの感はあるものの、3度目の話題としては、ポストシーズンの試合にスウィフトを招き、国歌を斉唱させてもいいのではないだろうか。「1989ワールドツアー」は12月まで続くが、少なくとも、ミニッツメイド・パークでコンサートを予定していた10月13日のスケジュールは空いているはずだ。
アストロズだけでなく、ナショナルズもポストシーズン進出の可能性は高い。スウィフトはフィリーズが本拠地とするシチズンズバンク・パークで、2008年のワールドシリーズ第3戦に国歌を歌っている。