尹大統領「韓国は何したらいい?」 訪韓中のチャットGPT代表の答えとは?
きょう、チャットGTPの開発を手掛けたOpen AIのCEOサム・アルトマン氏が来日する。チャットGPT4を公開後、日本を訪れるのは今年4月10日に岸田文雄首相らに面会して以来、2度目だ。
今回、東京を訪れる前に訪れた地はソウルだった。10日には尹錫悦大統領とも面会。現地メディアでは「チャットGPT4の公開から半年も経たないうちに各国の首脳と顔を合わせる存在になった」とも表現されるなか、こんなやりとりがあった。
尹大統領: 世界中で「チャットGPT」のブームが起きていますね。試しに(今年)新年の挨拶を作成するためにチャットGPTに質問を投げかけてみましたが、かなりリアルな結果が返ってきました。
アルトマンCEO: 韓国は世界で最も多くの国でチャットGPTを活用している国の一つであり、チャットGPTの発展が可能な技術基盤を持っています。
尹大統領: 技術の進歩が速すぎるため、チャットGPTに関連する副作用を防止するためにも国際的な規範を迅速に整備する必要があります。
アルトマンCEO: 社会内でのリスクを減らし、個人の利益を保証するためにも規範整備は重要です。韓国がリーダーシップを発揮してくれることを願っています。
尹大統領: 韓国はどの分野に集中すればよいと思いますか?
アルトマンCEO: 半導体の分野が良いでしょう。AIの時代には非メモリ半導体も必要ですが、膨大なデータ量のためにメモリ半導体の需要も大幅に増えるでしょう。台湾が半導体供給を続けても需要に対応するためには韓国の半導体が必要であり、そのために他の国々も韓国との協力を切望しています。
現地メディア「イーデイリー」は、時の人アルトマン氏の「来韓目的」についてこんな考察を行った。
韓国では当然のごとく、チャットGPTをはじめとする生成AIは大きな話題となっている。筆者は5月下旬をソウルで過ごしたが、現地で「ひとり出版社をやろうとしている人」に出会った。本文、タイトルはもちろん、カバーデザインも生成AIでやれる。そういった発想からだ。今後、韓国にはこの分野に資本が投入され、技術や活用法が速いスピードで発展するような状況が起きるだろうか。それも半導体を起爆剤として。
ただ、韓国でもその状況を生み出すためには「課題あり」とも見られている。「韓国経済」紙は12日の朝刊で「韓国がAI革新のリーダーになるための条件」という社説を掲載。その点を指摘している。
アルトマン氏は自らのツイッターで明らかにした「17都市を巡る」というツアーを実施中。ソウルの次は東京を訪れるとされており、12日には慶応大学で学生たちとのイベントも予定されている。はたして日本の地では何を語るだろうか。
<参考>アルトマン氏がツアーを行う「17都市」
トロント(カナダ)、ワシントンDC(アメリカ)、リオデジャネイロ(ブラジル)、ラゴス(ナイジェリア)、マドリード(スペイン)、ブリュッセル(ベルギー)、ミュンヘン(ドイツ)、ロンドン(イギリス)、パリ(フランス)、テルアビブ(イスラエル)、ドバイ(アラブ首長国連邦)、ニューデリー(インド)、シンガポール、ジャカルタ(インドネシア)、ソウル(韓国)、東京(日本)、メルボルン(オーストラリア)