赤道周辺で対流活動が活発化 梅雨前線の挙動に影響も?
広く積乱雲群が発生中
先月半ばに台風2号が発生して以降、赤道周辺の対流活動は比較的おとなしい状態が続いていましたが、ここにきて次第に対流活動が活発となってきています。
タイトル画像にある雲の様子をみても分かる通り、日本のはるか南方海上、赤道付近には広範囲にわたり、真っ白な雲が湧きたっており、これらの雲の情報をみると、雲頂高度16000メートル以上の積乱雲群で構成されていることが分かります。
今のところ、気象庁の解析では明瞭な熱帯擾乱(ねったいじょうらん)は発生していないようですが、今後、新たな熱帯低気圧の発生に結び付く可能性もあるため、注視する必要がありそうです。
広く対流活動が活発な場に
上図はちょっと専門的なものですが、5月10日を中心とした前後5日間の対流活動の様子をみたものです。
赤色が濃ければ濃いほど平年より空気が収束していることをあらわし、反対に青色が濃ければ濃いほど平年よりも空気が発散していることをあらわしています。
現在の状況をみると、積乱雲群が発生していた日本のはるか南方海上の赤道周辺では、広範囲にわたり、上空1500メートル付近(下層)で空気が収束し、上空12000メートル付近(上層)で空気が発散している場となっており、下層収束、上層発散で対流活動がとても活発な状態となっている場と言えます。
ちなみにインド洋の西部では日本の南方海上以上に対流活動が活発な場となっているようです。
しばらく同じような状況が続く予想
上図は5月下旬(22日から26日)の予想ですが、引き続き、日本のはるか南方海上の赤道付近(フィリピン東方海上)での対流活動は活発な状態が続く予想で、熱帯低気圧などの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の発生しやすい場が続くと思われます。
また赤道周辺で対流活動が活発となれば、その北側にある太平洋高気圧の勢力を強め、強まった太平洋高気圧がさらにその北側に位置する梅雨前線を北上させるような関連性が生じる可能性も考えられます。
つまり、南方海上での対流活動の活発化が結果的に梅雨前線を本州付近へ北上させるような効果をもたらす可能性もあるため、今後も活発な対流活動がどのように推移するのか、注視する必要がありそうです。