NASAが公開!「創造の柱」の科学的でリアルな3D映像がヤバイ
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「創造の柱の最新3D映像が公開」というテーマで動画をお送りしていきます。
2024年6月、ハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した画像を用い、科学的なデータに基づいて新たに作成された「創造の柱」の3D映像が公開されました。
当記事では創造の柱の基本情報と有名な画像をおさらいし、その後最新の3D映像をご覧いただきます。
●創造の柱とは?
「創造の柱」とは、地球からへび座の方向に約6500光年彼方にある「わし星雲」という天体の中央部にある構造の名称です。
その正体は低温のガスや塵から成る、分子雲と呼ばれる巨大な雲です。
わし星雲には高温で輝く大質量星が多数あり、そこから放たれた紫外線や強烈な恒星風によって、徐々に雲は浸食されていきます。
その中で残った雲が柱のように見え、「創造の柱」と名前が付けられました。
その壮大な見た目や名前から、非常に人気な天体です。
わし星雲のように星が活発に形成される領域では、創造の柱のような柱状の構造が見られることも多いそうです。
●創造の柱の有名な画像
創造の柱の画像の中で特に有名なものに、2015年に公開されたこちらの画像があります。
これはハッブル宇宙望遠鏡(HST)が可視光線で撮影しています。
創造の柱はわし星雲の一部ですが、とてつもなく巨大な構造であり、3つの柱のうち左の最も大きい柱の高さが実に4光年もあります。
4光年は、太陽系とそこから最も近い恒星系「ケンタウルス座α星」までの距離に相当します。
2022年10月には、ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した最新の創造の柱の画像が公開されました。
こちらは人間の目では見えない近赤外線波長で撮影されているため、実際に得られた観測データをもとに、着色した上で公開されています。
そしてこちらが、2015年にHSTが可視光で撮影した創造の柱と、2022年にJWSTが近赤外線で撮影した創造の柱の画像を比較したものです。
JWSTの方が解像度が高いのが一目でわかります。
また、HSTの可視光による画像だと全体がもやに隠れて背後の天体が見えにくいですが、近赤外線は塵の雲を透過しやすいため、背後の無数の星々や、柱の後ろに隠れていた星々でさえも透けて見えます。
そしてこちらは、私たちが見る夜空から創造の柱が見えるまで拡大した映像です。
全天で見るととてつもなく小さな構造にもかかわらず、ここまで美しい画像を撮影できる、宇宙望遠鏡の性能にただただ驚くばかりです。
●創造の柱の「最新3D映像」
2024年6月、HSTとJWSTが可視光と赤外線で撮影した画像を用いて作成された創造の柱の3D映像が公開されました。
単に美しく見せるために想像で描かれたのではなく、科学的な観測データに基づいて作成された3D構造です。
近くにある大質量の若い星からの強烈な放射により、柱を構成するガスがイオン化して周囲の空間に流出しています。
天文学的なスケールではそう遠くない未来に、創造の柱自体が消滅する運命にあります。
3本の柱のうち右側の柱が最も太陽系に近く、左側の柱が最も遠くにあるようです。
中央の柱の頂上辺りにある赤い領域は、塵の雲の中にある誕生したばかりの若い星から放たれたガスのジェットを受け、高いエネルギーを得た塵の雲から赤外線が放たれているため、このように映っています。
左側の柱の頂上から少し下のあたりに、塵の雲に包まれて見えない生まれたばかりの星が放つジェットが見えます。
さらに下にある尖った構造の先端に、赤外線で真っ赤に輝く生まれたばかりの星の姿が見えています。
このように新たな星がこの柱の中で形成されることから、「創造の柱」という名称がつけられているのです。
この美しい映像はこちらから誰でも無料で利用できます。