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厳しきA級順位戦 山崎隆之八段(40)残留争いに踏みとどまれず、無念の陥落決定

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月11日。大阪・関西将棋会館においてA級順位戦7回戦▲山崎隆之八段(40歳)-△豊島将之九段(31歳)戦がおこなわれました。

 朝10時に始まった対局は山崎八段先手で相掛かりに。豊島九段が積極的に動いてリードを奪ったかに見えましたが、山崎八段がうまくバランスを保ち、難解な形勢となりました。

 勝敗不明の終盤。抜け出したのは豊島九段でした。最後は山崎玉を即詰みに討ち取り、深夜0時7分、90手で豊島九段の勝ちとなりました。

 リーグ成績はこれで豊島4勝3敗、山崎1勝6敗となりました。

 また同日、東京・将棋会館において▲広瀬章人八段(34歳)-△菅井竜也八段(29歳)戦がおこなわれました。

 後手の菅井八段は角筋を止めないまま三間飛車に。角交換から持久戦に進んだあと、広瀬八段は自陣に角を打って動き、戦いが始まりました。

 長く続いた中盤を経て、深夜のきわどい終盤を制したのは菅井八段でした。最後、広瀬八段は攻防ともに見込みがなくなり投了。0時40分、154手で菅井八段の勝ちとなりました。

 リーグ成績は広瀬八段、菅井八段ともに3勝4敗となりました。

 以上の結果、A級1年目で順位最下位の山崎八段は、下位2枠に入ることが決定。残念ながらB級1組への降級が決まりました。

 山崎八段は4回戦の佐藤康光九段戦でまさかの大ポカをしてしまうなど、今期A級では十分に実力が発揮できなかったのかもしれません。

 独創的な棋風でファンも多い山崎八段。捲土重来を期待したいところです。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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