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「雪の中頑張っております」っていう候補者陣営があれば、そこは有権者のことをわかっていない

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上
東京都庁

今日は都知事選挙最終日。投票日当日である日曜日は選挙運動が出来ない。

そのため、前日の土曜日は各陣営ともに最後の訴えに奔走する。力を入れる。

しかし、そんな日に東京では10年に1回ともいわれる大雪。

仮に演説やSNS等で、

「雪の中〇〇は頑張っています!」「雪に負けずに〇〇は最後の訴えを」

とかって発言や投稿があればそれはすごく落胆する。有権者のテンションがわかっていないなと思う。

候補者は間違いなくそんなことは言わないと思うが、

応援演説やスタッフが投稿しているであろうSNSなどではあり得る。

選挙に対しても、応援している候補者に対しても思いが強すぎるのである。

目線を有権者にあわせて、

「雪の中演説を聞いてくれてありがとうございます」

というべきだとおもう。

候補者陣営と一般有権者のテンションの差が生み出す距離感

選挙にかぎらず、スポーツでも、受験でも、アイドルの追っかけでも、熱狂している本人、さらにはそのような人たちの集まりと、そうでない人との間には大きなテンションの差が生じる。

しかも選挙期間という限られた時間の最終日となればなおさらだ。

熱狂しているとは裏を返せば、周りが見えなくなっているとも言える。その結果、選挙にい根拠しているわけではない一般の有権者の心に響かない。

「あ~、駅前で大きな声でうるさいな」となる。

自分も学生団体ivoteを立ち上げる前は、選挙事務所にガッツリと入って選挙を手伝っていた事もあった。

たしかにすごい非日常なんです。候補者を受からせて、社会をよくすることに向かって、多くの仲間と突っ走る。

でも、当然そのテンションは他の人には伝わらない。仲の良い友達でも「がんばってるな~~」ぐらいのもんである。

このテンションの差により、有権者は政治に距離感を感じることになる。選挙が他人ごとになる。あっちで勝手にやっている人たちになる。

YouthCreateで企画した候補者と有権者のTwitterを使ったコミュニケーション企画「ASK TOKYO 2014」でのハッシュタグは

「#都知事候補だけど質問ある?」

というゆるいものにして、このテンションの差を埋めようとした。

一般有権者はなぜ投票に行くか

東京都選挙管理委員会の資料によると、平成23年の都知事選の際の、投票の動機は、「都政をよくするためには、投票することが大切だと思ったから」と回答した人が5割以上で、「投票することは、義務であるから」が4割半ばである。

そして、3番目に「都知事になってほしい候補者がいたから」が続いている。

H23年都知事選。投票の動機
H23年都知事選。投票の動機

東京都選挙管理委員会調査より 

投票に行った人の中で、「この候補者に受かって欲しい!!!」との思いの人これだけしかいない。

投票に行っていない人はさらに、この思いが少ないんだと思う。

結論として

自分たちの主張や思いを多くの人に伝え、投票所に行ってもらい、自分に投票をしてもらう。

それが選挙活動だと思う。

その伝え方を上からの押し付けにすること。

自分たちが頑張っているんだ感が出過ぎること。

そして、自分たちの思いに共感しない人を否定すること。

これらからは何も生まれない。

いい悪いはおいといて、選挙に思いを強く持っていない有権者が多いなか、政治側はがどのような伝え方で有権者の心を動かすか。

選挙最終日。各陣営のみなさん頑張って下さい。

有権者として、自分もその頑張りを見届けて、考えて投票に行きます。

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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