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大谷に朗報。エンゼルスが『シンバ』の代役として獲得したのは今季の『裏首位打者』

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
エンゼルスに移籍したホセ・イグレシアス(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルスがボルチモア・オリオールズとの交換トレードで、今季の『裏首位打者』ホセ・イグレシアスを獲得した。

 30歳のホセ・イグレシアスは今季、オリオールズでプレーして打率.373を記録。アメリカン・リーグの首位打者に輝いたDJ・ルメイユ(ニューヨーク・ヤンキース)の打率.364を上回る好成績を残した。

 しかし、度重なる下半身のケガに見舞われたイグレシアスは39試合しか出場できずに、規定打席に44打数足りなかった。それでも、100打数以上の選手の中ではメジャーで打率トップに立ち、『裏首位打者』となった。

 過去5シーズン、エンゼルスのショートは『シンバ』の愛称を持つアンドレルトン・シモンズが守ってきた。

 ゴールドグラブ賞を4度も獲得したシモンズは、リーグを代表する守備の達人で、アトランタ・ブレーブスでプレーしていた2013年にはポジションに関係なくリーグで最も優れた守備選手に与えられるプラチナグラブ賞にも選ばれている。

 年齢をイグレシアスと4ヶ月しか変わらないシモンズは、今季の年俸がイグレシアスの5倍にあたる1500万ドル(約15億7500万円)。今オフにフリーエージェント(FA)となったが、エンゼルスは引き留めずに他チームへのFA移籍が確実視されている。

「シンバ」の愛称を持つアンドレルトン・シモンズは過去5年間、エンゼルスのショートを守ってきた(撮影:三尾圭)
「シンバ」の愛称を持つアンドレルトン・シモンズは過去5年間、エンゼルスのショートを守ってきた(撮影:三尾圭)

 今オフは投手陣の補強にお金を使いたいエンゼルスは、マイナーリーグの2投手と交換で、来季の年俸が350万ドル(約3億6750万円)のイグレシアスにショートを任せる。

 シモンズはエンゼルスでの5シーズンでの通算打率が.281だったが、イグレシアスの通算打率は.278でほぼ同じ。若手時代には打撃よりも守備の評価が高く、今でも平均以上の守備力を誇る。

 年俸が1000万ドル以上も安いイグレシアスが、シモンズの7割程度の働きをしてくれれば、この補強は成功と呼べる。過去2シーズンのrWARは、イグレシアスが2.6で、シモンズは2.2。イグレシアスはシモンズと同等の働きをするかもしれない。

 エンゼルスのジェネラルマネージャーに就任したばかりのペリー・ミナシアンは、「イグレシアスはとても才能ある選手で、攻守両面での貢献を期待している。それに彼の契約内容もとても魅力的だった。才能面と財政面の両方でチームの必要にフィットする」とイグレシアス獲得に動いた理由を説明する。

 エンゼルスとオリオールズは丁度12ヶ月前にも選手をトレードしており、そのときはエンゼルスがマイナーリーグの4投手を差し出して、ディラン・バンディを獲得。バンディは移籍1年目からローテーションの中心役を担い、サイ・ヤング賞投票で9位に入る活躍をみせた。

 12ヶ月でマイナーにいる投手を6人もオリオールズに差し出したエンゼルスは未来ではなく、来季の成功を優先課題としている。

 イグレシアスが今季の好調を来季も継続して、バンディと共に活躍してくれれば、エンゼルスは7年ぶりのプレイオフに出場できるかもしれない。

エンゼルス移籍1年目からエースとして奮闘したディラン・バンディ(撮影:三尾圭)
エンゼルス移籍1年目からエースとして奮闘したディラン・バンディ(撮影:三尾圭)
スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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