左肩捻挫の渡邊雄太はオープン戦初戦を欠場も、日本代表戦参加は「後悔していない」
NBAメンフィス・グリズリーズの渡邊雄太が10月1日(日本時間2日)にテネシー州メンフィスに在るフェデックス・フォーラムで行われたチーム練習に参加して、練習後に自らの口で2日(日本時間3日)にアラバマ州バーミンガムで行われるプレシーズン初戦を欠場することを明らかにした。
ヒューストン・ロケッツとのプレシーズン初戦を前日に控えたグリズリーズの選手たちは、本拠地のフェデックス・フォーラム内の練習場で汗を流した。
捻挫をしている左肩にテーピングをした渡邊は「順調には回復しているんですけど」と左肩の痛みが和らいでいると言いながらも、「5対5(の練習)をやったんですけど、ブロックをした瞬間に痛みがある」と痛みが完全に消え去っていないと説明。
2日のアラバマでの試合はチームに帯同せず、本拠地で居残り練習をすると口にした。
シュートを打つ際には「(左腕を)上げるときにピリッとくるくらい」でほとんど痛みは感じないが、接触プレーで相手選手を左腕で押すときに左肩に「痛みを感じる」と言う。
9月17日に東京で行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区2次予選のイラン戦に出場した際、試合後半に相手選手のシュートを「思いっきりブロックしたんですけど、そのときに捻挫したみたいです。試合中は痛くてもプレーできたんですけど、試合が終わってからは2、3日は腕が上がらなかった」とケガをした状況を説明する渡邊。ケガから約半月が経つが、まだプレーできる状態までは治っていない。
今夏に行われたNBAのサマーリーグでは、自らの夢であるNBA入りのチャンスを優先して、日本代表の試合を辞退。だが、そのときから、秋の代表戦には「ぜひ出たい」と言っていた。
結果として、代表戦でケガを負ったことで、グリズリーズのトレーニングキャンプも別メニューで過ごし、紅白戦もプレシーズン初戦も間に合わなかったが、渡邊は「(代表戦を選んだことに対する)後悔は一切ないです」と強い表情で言い切る。
「起こってしまったことに対しての後悔はなく、(日本に)帰って(代表戦でプレーして)良かったなと思っています」
代表チームでプレーすることでしか得られない経験があるが、渡邊は「2年前に世界最終予選に(日本代表のメンバーとして)出たときは、不甲斐ないプレーで何もできずに終わってしまって、このままでは自分も日本もダメだなと感じました。今回は納得いったプレーではなかったですけど、(出場した)2試合とも勝利に貢献できたという部分で、自信を得ました。アメリカの高いレベルの中で揉まれてきて、成長しているなと実感することができたことが、自分の中では今回の収穫でした」とアメリカの大学生活で成長した姿を確認できたと言う。
渡邊が加入した日本代表は、敵地でのカザフスタン戦、ホームでのイラン戦共に快勝。渡邊は攻守両面で日本代表チームを牽引した。
今回の日本代表でのプレーが渡邊にとって大きな自信を与えたのは傍目から見ても明らかであり、チームに合流した僅か1週間半の短い時間でプレーヤーとしても人間としても一回り大きく成長した。
代表戦で負ったケガによって、グリズリーズのトレーニングキャンプで出遅れてしまった渡邊は、ケガを治すことに専念している。
仮に渡邊が何も保証のない招待選手としてキャンプに参加していれば、ロースター枠を勝ち取るために、ケガを隠して、無理をしながらプレーしていたかもしれない。
NBAのグリズリーズと球団傘下のGリーグ(マイナーリーグ)チームのハッスルの両方でプレーできる2ウェイ契約を与えられている渡邊には、まずはケガを治す余裕が与えられている。
「2ウェイがあるからリラックスしてたり、楽をしていることはないですけど、精神的な安心感はありますし、治療にも専念できます。焦りみたいなものもありますが、ケガを隠して出て、パフォーマンスが悪くってそれ以降、(試合で)使ってもらえないなんてことになれば話にならないですし、今はコーチ陣やトレーナー陣に任せて、彼らに言われたことをやるだけです」
ジェームズ・ハーデンやクリス・ポールがいるロケッツとのプレーが見れないのは残念だが、渡邊の目標はプレシーズン戦でプレーすることではなく、あくまでもNBAの公式戦でプレーして活躍すること。
「公式戦でハーデンと対戦します」と言った渡邊の表情からはケガで欠場する悲壮感は全くなく、明るい未来を見据えて輝いていた。