亀田興毅が那須川天心に挑戦状 天心のボクシングの実力とは
5月18日(土)AbemaTV3周年記念特別企画「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」が行われた。
天心への挑戦者
今回、天心への挑戦者は、事前に行われた「ボクシング経験者トーナメント」「異種格闘技トーナメント」各トーナメントの優勝者2名が天心へ挑戦する事となっていた。
ボクシング経験者のトーナメントでは、元アマチュアボクサーの藤崎美樹(29)が、プロの選手を破り優勝した。
しかし、異種格闘技トーナメントでは、大本命の青木真也が、別の試合を控えていた関係で、急遽出場を見送った。
そのため、青木の代理で、放送作家の大井洋一(42)が出場し、優勝した。しかし、大井は怪我で欠場。
敗者復活投票が行われ、元WBAスーパーフライ級世界王者のテーパリット・ジョウジム(30)の出場が決定した。
そして番組の最後には、重大発表として、「AbemaTV 1000万円 リーズスペシャルマッチ 那須川天心VS亀田興毅」が発表された。
元世界王者のテーパリットとの対戦
今回の試合のルールは、2分3ラウンド、ヘッドギアあり、グローブは12オンスのグローブ着用となった。
第1試合の挑戦者は、元世界チャンピオンのテーパリット。テーパリットは体を絞ってきて、動きに切れがあった。
サウスポースタイルの天心が、先手を取っていったが、次のラウンドでは、テーパリットが、有効打を決めていた。
最終ラウンドでは、天心のボディからの攻撃が効果的に決まり、テーパリットを追い詰めていく。最後は両者、手数を出して試合終了。
判定決着はないルールのため、天心を倒さないと1000万には届かない。
引退してしばらく経ったテーパリットが、予想以上の強さを見せつけた。
天心も、元世界チャンピオン相手に、ボクシングルールでも十分に対抗していた。
試合後のテーパリットに話を聞いたが、「天心も、ボクシングに専念していけば世界チャンピオンになれる」と話していた。
ダークホースの藤崎美樹
第2試合は、アマチュア出身ボクサーの藤崎美樹が登場した。藤崎は予選で、世界王者のテーパリット、日本ランキング1位の村井に勝利している。
この試合に向けて、走り込みとスパーリングで、調整を続けてきたようだ。
また、世界王者の内山高志氏のジムで、ポイントを取るパンチから、相手を倒す打ち込むパンチを磨き、この日に備えてきた。
先手を取ったのは藤崎で、サウスポースタイルの天心に対して大きなパンチを振るった。天心は様子をみながら、相手に合わせていく。
徐々に天心が主導権を握り、ペースアップしていき、先ほどの試合よりギアを上げてきた。前回より肩の力が抜けて動きがスムーズだ。
パンチの交錯が多く見応えがある。天心のパンチがヒットして、藤崎を倒しにかかる。
独特の距離感でパンチを避けて、上下にパンチを打ち込む。接近戦でも、魅せるボクシングをしてペースを握っていた。最後は天心も倒しにかかるが、時間切れとなった。
試合後、藤崎の話を聞くと、「思った以上に強く、イメージ以上の実力だった」と話していた。
天心のボクシングの実力
正直なところ、パンチをもらわない技術に優れている天心を倒すのは非常に難しい。
しかも、ヘッドギアありで、大きいグローブでは尚更だ。天心も「ヘットギアで大きいグローブだったので動きも全然変わります。やりづらかったし、重かった」と話していた。
今回の企画で、天心と戦った2人の選手に話を聞いたが、体の入れ方や近い距離での攻防、また、周囲への魅せ方が優れていると話していた。
もちろん、現役選手ではない為、試されていない部分はあるが、天心のボクサーとしてのポテンシャルも垣間見えた。
パンチに対する反応は、卓越したものを持っている。天心は、サウスポースタイルからの攻撃と防御の勘が素晴らしい。
本人も、ボクシングへのチャレンジには前向きのようだ。キックボクシングでの距離感を、上手にボクシングに応用させている。
今回の企画も、批判があっただろうが、本人は気にしていないようだ。
他の選手がやらないような事をやっている彼は、新時代を作っているスターと言える。また、今回の企画も、本人が一番楽しんでいるようだった。
AbemaTVから重大発表
試合が終わり、AbemaTVから重大発表があった。
1000万企画で、元3階級制覇の亀田興毅(32)と天心との対決が発表された。
以前同番組で、現役復帰をした際、試合を観戦しに行ったが、元王者のポンサクレックを相手に、現役に近い動きで圧勝した。
今回のAbemaTVのイベントについて、亀田自身はSNSを通じて、
「AbemaTVは、ボクシング業界にとってとても貴重な存在だと思っている」
「この企画を通して、ボクシングが世間から注目される方がプラスであると考えている」
「天心選手はボクシングでも強い。わかる人間にはわかる」と投稿していた。
ボクサーは、一生ボクサーだ。強い相手がいれば、自分の力を試したい、戦いたいという思いはあるだろう。
しかし、まさかの展開に驚きを隠せなかった。天心も亀田について聞かれると、「良くも悪くも日本の格闘技を盛り上げてきた存在」とだけ口にした。
意識はしてないが、しっかり準備して臨みたいと話していた。
ボクシングの3階級を制覇しているチャンピオン相手にどこまで戦えるか注目だ。