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約30年ぶり 厳寒の投票日

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
12月14日(日)正午~午後3時 天気分布予報

投票日が近づくと決まって、天気の問い合わせが増えてきます。投票率が低迷する昨今、投票日当日の天気が気になるのでしょう。

あさって(14日)の衆議院議員選挙は前回と同じ師走の選挙です。前回の投票日(2012年12月16日)を天気ノートで振り返ってみると、北海道で湿った雪が降ったほかは穏やかに晴れた所が多く、窓を開けていても寒くないとあります。事実、東京は快晴の一日で、最高気温は18.2度を記録しました。しかし、投票率は伸びず。投票日日和ともいえる天気なのに、と不思議に思います。

冬の選挙と気温の関係

あさって(14日)の投票日は全国的に厳しい寒さが予想されています。東京は晴れるものの、最高気温は9度、最低気温は1度と、一年で最も寒いころの気温となりそうです。寒さが投票率にどのくらい影響するのか、冬に行われた衆議院議員選挙の投票率と最高気温について調べてみました。ここでは代表して「東京都」で考えています。

衆議院議員選挙の投票率と最高気温(東京都)
衆議院議員選挙の投票率と最高気温(東京都)

前回(2012年)、前々回(1990年)と気温は高めでしたが、第37回衆議院議員選挙(昭和58年12月18日)は東京の最高気温が7.0度と真冬並みに寒い一日で、投票率も低くなりました。

選挙と天気の関係は、天気が良すぎても悪すぎても投票率は伸びず、中途半端なくもり程度がちょうど良いといわれてきました。しかし、調べてみると、必ずしも言われているほど天気に左右されているとも思えず、むしろ当時の争点や時代背景の方が影響が大きいと感じています。

ただ、さすがに、あさって(14日)は寒い一日となることは確実で、予想どおりならば昭和58年以来、31年ぶりの寒い投票日になりそう。昭和58年の例を考えると、投票率が伸び悩んでしまうかもしれません。今回の選挙はあきらめムードすら感じますが、意思表示をしなければ変わるものも変わらない。いつか、投票率が天気に左右されない日がくることを切に願っています。

【参考資料】

気象庁,過去の気象データ(東京)

東京都選挙管理委員会,各種選挙における投票率

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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