2023年の中日ドラゴンズのような「10敗カルテット」のチームは、いずれも最下位に終わっているのか
昨年の中日ドラゴンズでは、4人の投手が二桁の黒星を喫した。涌井秀章が13敗、小笠原慎之介が12敗、柳裕也と髙橋宏斗は11敗ずつ。彼らの他に、セ・リーグで10敗以上は、11敗の大瀬良大地(広島東洋カープ)しかいなかった。
1990年以降に「10敗カルテット」が誕生したのは、見落としがなければ、2023年の中日が延べ8チーム目。そのうちの半数は、阪神タイガースだ。
8チーム中5チームはリーグ最下位に沈み、2012年の阪神も5位に位置した。この6チームとも、20以上の借金を抱えた。
だが、あとの2チームは、5割前後の勝率を記録している。1990年の広島東洋は、66勝64敗2分(勝率.508)で2位。2015年の阪神は、70勝71敗2分(勝率.497.496)で3位。この年の阪神は、クライマックス・シリーズに進出した。
1990年の広島東洋は、この8チームのなかで、唯一、得失点差がプラスだ。570得点と528失点なので、得点のほうが42多い。一方、2015年の阪神は、得失点差が-85。ただ、2点差以内の試合は、42勝28敗2分(勝率.600)だった。
また、2005年の広島東洋で「10敗カルテット」の一人となった黒田博樹は、阪神の下柳剛と並び、リーグ最多の15勝を挙げた。下柳が15勝3敗、黒田は15勝12敗。それぞれの防御率は2.99と3.17。この年の阪神はリーグ優勝を飾り、広島東洋は最下位に位置した。
なお、1シーズンに同じチームの4人が二桁黒星は、最多の人数ではない。例えば、これが史上最多かどうかまでは調べていないが、1986年の南海ホークスでは、5人が10敗以上を喫している。山内孝徳が18敗、山内和宏が15敗、藤本修二が12敗、西川佳明と加藤伸一は10敗ずつだ。南海は、49勝73敗8分(勝率.402)で最下位に終わった。