不必要に積まれている国の基金は、見直しによって国庫返納がどれだけ進んだか
拙稿「『無駄の温床』とも揶揄される国の基金は、どう見直されたか」(Yahoo!ニュース・エキスパート)で取り上げた基金の点検・見直しによって、どれだけ国庫返納が行われることになったか。
そもそも、国の基金は、複数年にわたって実施すべき事業の財源として公益財団法人などに設置される。基金が一旦設置されると、支出するまではそこにお金が貯められている。
基金として余分にお金が貯められていて、すぐには使わないということなら、それを有効活用するためには、基金を取り崩して、他の費目に使えるよう国庫に返納することが必要である。
前掲拙稿でも述べたように、コロナ禍で、国の基金残高が2022年度末には16兆5733億円にまで急増した。すべてが無駄に貯められているというわけではないとはいえ、すぐには使わなさそうな基金もありそうなほど、残高は多い。
そこで、政府は152の基金(対象の基金事業は200)について、点検・見直しを行った結果、2023年度に4342億円、2024年度に1124億円を国庫に返納することとした。
16兆円余も残高がありながら、今般国庫返納することとした額は5400億円余である。
これを、多いというか少ないというか。どう評価すればよいかというと、
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