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【渋谷区】春の訪れ 渋谷で富士登山 溶岩で覆われた険しい登山ルート

渋谷ライダーwebライター(東京都渋谷区)

寛政元年(1789)に人の手によってつくられた富士山に模した『富士塚』。富士山から持ち運ばれた本物の溶岩で覆われ、険しい頂上までの登山道は本物の富士登山さながらです。

千駄ヶ谷富士

渋谷区千駄ヶ谷にある鳩森八幡神社、日本将棋連盟会館の目の前です。

桜5分咲きのなか皆さんお花見弁当を楽しんでいます。

富士山に登ることと同じご利益があるとも言われている理由 

鳩森八幡神社境内には235年前(江戸時代)に富士山を模してつくられた人工の小さな山、『富士塚』。標高6メートル、頂上の高さは3階建ての屋上くらいです。誰でも無料で頂上まで登れます。

険しく岩で固めた山『富士塚』
険しく岩で固めた山『富士塚』

都内には『江戸八富士』と言われる富士塚が8カ所ありました。(現在は七カ所です)鳩森八幡神社の富士塚は『千駄ヶ谷富士』と呼ばれ、富士山麓の溶岩を船で運んで造られました。

富士塚は「富士山に登ることと同じご利益がある」とも言われています。その理由は昭和初期まで続いた富士山信仰のために富士塚が造られ、富士塚に登ることを「登拝(富士山の御神徳を拝しながら登山すること)」と言い、実際の富士山と同じ道中に祭られている各所を拝みながら登っていく「信仰」が背景にあったためで、現代の富士登山とは意味合いが違います。

食行身禄(じきぎょうみろく)

(富士塚7合目)「食行身禄(じきぎょうみろく)」の像
(富士塚7合目)「食行身禄(じきぎょうみろく)」の像

7合目の洞窟には「食行身禄(じきぎょうみろく)」の像があります。烏帽子岩(えぼしいわ)で断食の末に入定し即身仏となりました。明治時代の終わりには即身仏は法で禁止されてます。

拝みながら登っていきます

実際の富士山にもある『烏帽子岩(えぼしいわ)』『小御嶽石尊大権現(こみたけせきそんだいごんげん)』、富士登山者が手を合わせて拝む各所が再現されています。

『小御嶽石尊大権現(こみたけせきそんだいごんげん)』
『小御嶽石尊大権現(こみたけせきそんだいごんげん)』

立札「七合目」

登山順路「1合目」ごとに札が立っています。次の合まで札と札の間は数歩です。しかし江戸時代の人は足のサイズが小さかったのか、足の置き場に組まれた石が小さすぎて登りづらいです。

頂上付近では岩壁を手で掴みながら、どこに足を置けばよいのか探りながら登る急斜面となりボルダリングのようです。

山頂までもう一息です。
山頂までもう一息です。

富士塚の山頂からの眺め

山頂は参拝できる1人分のスペースがあります。

(山頂からの眺め)

急斜面を登って来たことが分かります。建物3階ほどですが苦労して登って来た達成感があります。

山頂では「奥宮(おくみや)」に参拝

「奥宮(おくみや)」というお社です。実際の富士山頂の「富士山本宮浅間大社」の奥宮を再現しています。富士塚頂上で奥宮に手を合わせ、江戸時代には静岡県方面に見えていた富士山にも手を合わせます。

鳩森八幡神社では毎年、富士塚開山式『開運山開き大祭』(6月3日)が行われ、草履を履いた神主が富士塚を登ります。

境内はこれから河津桜 陽光桜 ソメイヨシノ 垂れ桜が満開になります。

「千駄ヶ谷富士」 鳩森八幡神社
東京都渋谷区千駄ケ谷1-1-24
鳩森八幡神社公式ホームページ
(写真に残せなかったのですが富士登山者が登山前に参拝する「浅間神社」を再現した『里宮』が1合目にあります。お参りして登ることをおすすめします)

webライター(東京都渋谷区)

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