保育園でも学級閉鎖はある?保育園の臨時休園事情を現役保育士が解説「1日も臨時休園なし」
共働きの現役保育士です。
インフルエンザや新型コロナなどの感染拡大時、「小学生の上の子は学級閉鎖、職場からは在宅勤務命令が出る一方、保育園からは特に臨時休園の通知はないが・・」という経験がある方もいるでしょう。
感染症が拡大している事実は変わらないのに、通う施設により対応に差があるのはなぜでしょうか。
今回は、保育園における学級閉鎖・臨時休園の事情について現場目線で解説します。
1日も臨時休園なし
東京都での新型コロナの流行は2020年初旬ごろからでした。
地方においても、学校や職場において学級閉鎖や在宅勤務などの動きが広がりましたね。
一方、筆者の勤務園に限って言えば、2020年度もそれ以降も、今日に至るまで臨時休園をした日は一日もありません。
最小登園人数が1名という日もありましたが、職員は全員出勤し、通常通り給食もありましたよ。
その他施設との臨時休園の対応の違い
学校教育法施行規則および学校保健安全法では次のように規定されています。
このため、幼稚園やこども園、学校等は法律に準じて休園や学級閉鎖を決定することができます。
一方、保育園の場合は、臨時休園に関する法律がありません。
このため、どんなに感染症が拡大しようが、保育園からは「登園自粛の依頼」といった通知で”お願い”のみを繰り返すことになります。
ただし、厚生労働省は市区町村に対し、保育園における臨時休園等の基準について策定するよう要請しています。
このため、災害発生時や感染症の発生時などにおける臨時休園の基準や対応を定めている市区町村もあるのです。
たとえば、千葉県佐倉市では、感染症の発生時における臨時休園の判断基準として、次のようなものを定めています。
また、千葉県流山市では、非常災害時における臨時休園の判断基準として、次のようなものを定めています。
このように保育園の場合は、市区町村などが基準を策定していない限り、保育園が独自に対応や臨時休園を検討することになります。
難しい臨時休園の決定
保育園で臨時休園を決めれば良いといっても、実際は難しい場面があります。
新型コロナの感染拡大時、登園自粛をお願いしたお家の方が「保育園なのに利用できないのはおかしい」と役所に電話でクレームを入れた方がいらっしゃいました。
保育園は基本的に、就労などにより家庭での保育に欠ける子を保育する場という位置付けであるため、開所していないと困ってしまうという事情は良く理解できます。
まとめ
保育園における学級閉鎖・臨時休園の事情について現場目線で解説してきました。
保育園と幼稚園・こども園とで、どの施設を利用するか検討する場合に、臨時休園の対応が違うことは盲点かもしれません。
また、保育園を卒園し、小学生になってから「学級閉鎖がある」とびっくりすることもあるかもしれません。
市区町村の規定なども確認し、学級閉鎖の可能性なども知っておくと後であわてずに済みそうです。