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中国サッカー協会がフース・ヒディンク 五輪代表監督を“事実上”解任? 指導内容に不満も

金明昱スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

 フース・ヒディンク監督の動向が、中国メディアから入ってきた。

 去年9月に五輪(U-22)中国代表の指揮官に就任したヒディンク監督。2020年東京五輪出場の担い手として招聘されたが、ここにきてストップがかかったようだ。

 中国メディア「シナスポーツ」が19日付で「中国サッカー協会が五輪代表チームの強化が非効率的とのことで、チームの準備グループを新たに設立することを決めた」と伝えている。

 新たに作られるグループがトレーニングを全面的に受け持つとされ、「このチームリーダーは前中国代表監督のガオ・ホンボ氏が務める」とも報じられている。

 つまり、ヒディンク監督の“事実上の解任”と見ていいだろう。契約解除と発表こそしていないが、ヒディンク監督が指導する機会は奪われた形だ。

 こうした立場に追い込まれたのには理由がある。

 ヒディンク監督率いる中国五輪代表は、3月に開催されたAFCU-23選手権予選を2勝1敗で突破し、来年1月の本大会(タイ)に出場を決めている。

 同大会は来年の東京五輪出場を決める大事な大会でもある。

 だが、今月6日に行われた親善試合で北朝鮮五輪代表に1-1で引き分け、8日にはベトナム五輪代表に0-2で敗れてしまった。

 これだけではない。中国サッカー協会が問題視しているのは、ヒディンク監督の行動のようだ。

 2002年日韓ワールドカップ(W杯)で韓国代表をベスト4に導いた同指揮官に関心の高い韓国メディアは、ヒディンク監督の動向について触れている。

 韓国の「マイデイリー」は「ヒディンク監督は中国五輪代表チームを任せられたあと、そのほとんどをオランダで過ごした。今年3月、マレーシアで行われたAFC U-23選手権の予選が終わったあともすぐにオランダに帰国した。また、有望株の選手の起用についても非難を受けていた」と報じている。

 五輪代表チームを集中的に指導できていないことや最近の試合結果も含めて、こういう事態になったと見られている。

 いずれにしても、今回の中国サッカー協会の発表により、ヒディンク監督が五輪代表を今後も率いるかどうかは不透明だ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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