イーグルスと家族にフォーカス。アマナキ・レレイ・マフィ、日本代表への思いは?【ラグビー旬な一問一答】
横浜キヤノンイーグルスは9月23日、都内のキヤノンスポーツパークで練習を公開した。
雨天下にあって、抽選で当たった約180人のファンクラブ有料会員がスタンドへ入る。
クラブスタッフが濡れた椅子をタオルで拭いて着席を促し、練習前には永友洋司ゼネラルマネージャーが施設見学のツアーガイドを務めた。
選手が現れると、スキルセッション、キック後の攻防を落とし込むための実戦形式練習を重ねる。
沢木敬介監督がその場、その場で「いまの問題点は何?」などと選手へ問いかけ、佐々木隆道アシスタントコーチは「タックラーはどんな時も前を向く」ようにと発破をかける。
練習後、併設のスタンドへアマナキ・レレイ・マフィが上がってきた。
日本代表として2度のワールドカップに出場した通称「フィジカルモンスター」は、一昨季の途中に当時のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(浦安Dロックスの前身)から移籍。正ナンバーエイトとしてプレーしている。
ファンに見守られながら、単独取材に応じた。
以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。
——お元気そうでよかったです。
「(日本語で)いつも!」
——まず、今シーズンの目標は。
「(以下、英語で)先シーズンはあまりよくはなかったけど、もっとワークハードして今度はいい結果を残したい。昨季とは同じ結果を残したくない」
——リーグワン元年となった昨季は、活躍はしたもののあともう1歩で4強入りを逃しています。
「スタートはよかったのですが、長いシーズンで最後に力尽きた。今季はそれをマネージして結果を残したいです。ワークハードすることは同じですが、今季はそれをスマートにおこなうことに集中したい。コンタクトにディテールを付け加える(当たり方に工夫を施す意味か)。どうボールを持ち、どのスペースにアタックするか。タックルについても相手のどのあたりに入るか…。具体的なスキルを高めたい」
——昨季は、初めてイーグルスで丸々1シーズンを過ごしました。日々の練習はハードに映りますが、いかがでしょうか。
「(前所属先の)2倍くらい、激しいです! 色んなことを学べて、ラグビーをしているという感覚を味わえています。沢木さんは、ラグビーの知識を伝授してくれる」
——沢木監督は、エディー・ジョーンズヘッドコーチ率いる2015年までの日本代表でコーチングディレクターを務めていました。2人とも選手への要求が高いことで知られていますが。
「エディーさんは…別世界です! 2人はタイプが違いますが、似たところもあります」
昨季のリーグワン元年を「あまりよくはなかった」と総括するマフィ。ただし実際には、持ち前の突破力やボール奪取能力を披露していた。そのため、2021年夏以来の代表復帰を熱望するファンも多い。本人の心境は。
——マフィさんに日本代表のジャージィを着て欲しいと思うファンの方はたくさんいるようです。
「僕はいつも準備ができています。代表チームでできるレベルにはある。ただいまのところは、キヤノンと私の家族に集中したいと思っています」
家族といえば、今回のオフを利用して母国のトンガへ帰省。長女を連れた。近年のウイルス禍にあって、長女がトンガへ行ったのは今回が初めてだった。
「素晴らしい場所。約4年間、ロックダウンの影響で行けていなかったのですが、久しぶりに行けてよかったです。私の育った場所を娘に見せられて、誇りに思っています」
話し終えると、日本語で謝辞。去り際には、目の前に立っていた子どものトレーディングカードにサインをしたためた。