「天下一品」の新メニュー! ラーメンの価格高騰に一石を投じる「こってり天津飯」
LUNA SEA、X JAPANのギタリストでTHE LAST ROCKSTARSで紅白歌合戦にも出場したSUGIZOが1月3日のTBS「マツコの知らない世界」に出演。
「こってり濃厚!ご褒美ラーメンの世界」と題して、月に一度の“チートデー”で「天下一品」の「こってりラーメン」の大盛を思いっきり食べるというエピソードが紹介された。
「天下一品」は1971年に京都の屋台からスタートしたお店で、いまや全国226店舗(2023年1月14日現在)を展開する大人気チェーン。SUGIZOもお勧めした「こってりラーメン」は、その濃厚なスープと旨味の虜になるファンが続出。1日16000kgも使う鶏ガラと十数種類の野菜でじっくりと炊き上げたスープは他では食べられない唯一無二の美味しさだ。
新メニュー「こってり天津飯」が登場
そんな「天下一品」が1月10日に新メニューを発表した。その名も「こってり天津飯」。
天津飯の餡の代わりに自慢のこってりスープを回しかけた、今まであるようでなかった斬新な一品。利用客の要望からスタートした裏メニューでSNSでも話題になっていたが、晴れて正式にメニュー化され、早くも人気が沸騰している。
この新商品「こってり天津飯」には「天下一品」のこれからを支えるかもしれないたくさんのヒントが隠されている。
ラーメン以外の目玉商品にトライする意味とは
原材料の高騰のあおりを受けて、ラーメン店は値上げを余儀なくされている。特に小麦や肉の値上がりは直接的なダメージを与えていて、今までの価格では維持できなくなっているお店も数多い。
「天下一品」のように店舗展開していて、大量仕入れによるスケールメリットがあるお店であっても、原材料の高騰の打撃はある程度受けていると考えられる。現在「天下一品」のこってりラーメンは並盛で890円。チェーン店としては、ラーメンの価格を1000円に乗せることはなかなか考えづらいだろう。
その中で、ラーメンではなく「天津飯」を新商品として持ってくることにより、他の目玉商品を作ることにトライした。ラーメンほどは原材料の高騰の打撃を受けないメニューを目玉に持ってくることによって、売り上げ的なバランスを図ろうとしているのではないか。
570円という衝撃のプライス
そして、なんと「こってり天津飯」は並盛で570円という破格の安さで提供している。こってりラーメンが890円であることを考えると、驚きの安さである。
サイドメニュー的にラーメンとセットで注文することもできる(ラーメンとこってり天津飯(小)の定食で1260円)が、もちろんこってり天津飯だけで注文することも可能だ。この570円という値付けが、価格高騰の流れの中では革新的で、価格だけ見てもとんでもない新メニューが出てきたという感覚を受けた。
肝心の味だが、これがとても美味しい。「天下一品」のこってりスープといえば、ラーメンに合わせるのが当たり前という感覚であったが、天津飯に合わせてもこってりスープの魅力がしっかり出ていてとても美味しいのだ。この「こってり天津飯」を食べることによって、改めてこってりスープの唯一無二の魅力を感じることができる。
「天下一品」では、既にタッチパネルやセルフレジなどを導入し、ホールの人数も最小限に留め、その企業努力が見える。
さらに原材料の高騰と戦わざるを得ない状況の中、この「こってり天津飯」のヒットによってまた新たな道が見えてくるに違いない。
※写真はすべて筆者による撮影