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アマゾンレビューに低評価(星ひとつ)をつけたがる人たちの頭の中。~間違った自己肯定感の高め方~

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


世の中には、アマゾンレビューに低評価をつけたがる人たちがいます。

自分が「良いな」と思った時は評価せず、「良くないな」と思った時だけ、凄い熱量で悪い評価を書き綴るのです。星1をつける人というのは、他の作品や商品に対しても、星1ばかりつけていることが多いです。

さて、そういう人たちは、どうして、わざわざ多くの時間と労力を割いて、アマゾンレビューに低評価をつけるのでしょうか?

実は、人間という生き物は、人を非難したり否定したりすると、
人の作品を非難したり否定すると、ある欲求が満たされるようになっているのです。
だから、アマゾンレビューに低評価をつけるのが好きな人は、熱心に、人や物を腐すのです。

さて、世の中には、さまざまな欲求論があります。
たとえば、マズローの欲求5段階説は、有名ですね。

マズローの欲求5段階説とは、人間には、5段階の欲求があり、1つ下の欲求が満たされると、次の欲求を満たそうとする、そんな基本的な心理的行動がある生き物だというものです。

第1段階は、生理的欲求。第2段階は、安全欲求。第3段階は、社会的欲求。第4段階は、承認欲求。第5段階は自己実現欲求。と言われています。

実は、私(竹内成彦)は、マズローの欲求5段階説をあまり支持していません。
というのは、人間は、生理的欲求や安全欲求より、承認欲求を優先させようとすることが少なからずあるからです。

だから、安全欲求が満たされると社会的欲求を満たそうとする、社会的欲求が満たされると承認欲求を満たそうとする、というマズローの考え方に、私はいまいち賛同できません。

欲求論で言えば、私は、
無能唱元さんが説く欲求論が1番好きです。1番しっくり来ます。
無能唱元さんは、人間には、5つの欲求があると仰っています。
では、無能唱元さんの説く5つの欲求をご紹介したいと思います。

ひとつめは、生存欲求です。
安全欲求・食欲・睡眠欲は、これらに含まれます。
ふたつめは、自己重要感欲求です。
これは、「自分は生きるに値する、重要な人間なんだ」「自分は力のある強い人間なんだ」と思いたい欲求です。自尊感情も自己肯定感も自己効力感も、この欲求に含まれます。
みっつめは、群居欲です。
所属欲求と言ってもいいかもしれません。人と群れたい、仲間が欲しい、愛し愛されたいという欲求です。
よっつめは、好奇心欲です。
何か新しいことを経験してみたいという欲求です。
いつつめは、性欲です。
種族保存欲求と言ってもいいかもしれませんし、楽しみ欲求と言ってもいいかもしれません。

以上です。
以上、5つが人間の持つ5大欲求です。
弱い強いはありますが、人間、誰もが、この5つの欲求を持っています。

無能唱元さんは、人間にとって、もっとも大切なのが、自己重要感欲求とおっしゃっています。この欲求を満たしたいがために、人は、ときに、自分の命さえも投げ出したりすると言うのです。


で、話を戻します。
アマゾンレビューに低評価をつけたがる人の心理ですが、
人間は、人やモノのあら探しに成功すると、己の自己重要感欲求(自己肯定感に非常に良く似ています)が高まるように出来ているのです。

人は、「この作品は、つまらないな」「この商品は、こんな欠点があるな」等、人や物のあらをみつければ、さも自分が、賢く偉くなったような気になる生き物なのです。
だから、アマゾンレビューに低評価をつける習慣を持っている人は、その癖がやめられないのです。

よって、手っ取り早く、己の自己重要感(自己肯定感・自尊感情)を高めたかったら、人やモノのあら探しをして、口に出して、または心の中で、悪口を言ったり、けなしたりするに限ります。
そうすれば、誰もが、簡単に、努力することもなく、自己重要感欲求、自分は偉いんだ、自分は賢いんだ、という欲求を、満たすことが出来ます。これは、大変に無能な人にも出来ます。

長々とお話してきましたが、いったんここで整理します。
アマゾンレビューに低評価をする人の心理は、あら探しをすることによって、人間の持つ根源的な欲求、自己重要感欲求を高めようとしているということです。

よって、あなたは、あら探しをする習慣を持っている人を見たら、「ああ、あの人は、あら探しをするという行為を通じて、自分の自己重要感欲求を満たそうとしているんだなあ」と理解してください。

さて、
今言ったように、あら探しをすると、己の自己重要感欲求が簡単に高まるのですが、
この方法は、幸せに生きていきたいと思うのであれば、人は、絶対に使ってはいけません。

何故なら、そんなことをすれば、人から嫌われるだけだからです。
人は、あら探しをする趣味がある人など、好きになれないものですし、
さらに、あら探しばかりしていると、自分の周りには、あら探しする人ばかりが集まって来るという残念な結果を招いてしまうからです。

いかがでしょう?
人から嫌われる、もしくは、あら探しが好きな人に囲まれる、
そんな人生、つまらないと思いませんか?

さらに、
あなたが本当に幸せになりたいのなら、人のあらを探して悪口など言うものではありません。何故なら、人間は、悪口を言ったり書いたりすると、心の奥深くで、自分の心が傷つくように出来ているからです。

人間の心の奥底にある潜在意識というものは、自他の区別がつきません。よって、人の悪口を言っている行為は、イコール、自分の悪口を言っている行為に他なりません。だから、人の悪口は言わないほうがいいのです。

如何でしょう?
私が「道徳論を説いているわけではない」ということがご理解できたでしょうか?

私は、62年 生きていますが、
人やモノのあら探しばかりをしている人、人やモノの悪口ばかりを言ってる人で、幸せそうにしている人を、1度も見たことがありません。

どうぞ、「人やモノのあら探しする」という安易な行為で、自己重要感欲求を満たさないようにしてください。その行為は、長い目で見ると、友だちや仲間を失い、自分の自己肯定感および自尊感情を低くする行為そのものだ、ということを忘れないでください。

私(竹内成彦)は、弱い人間です。
精神状態が悪くなると、つい人やモノのあらに目が向きがちな、か弱い人間です。
よって、これからも、自分の感情と言葉をしっかり見張り、考えおよび行動を上手にコントロールしていきたいと思います。

というわけで、今日は、「アマゾンレビューに低評価をつけたがる人たち。(間違った自己肯定感の高め方)」というテーマで、お話させていただきました。

宜しければ、どうぞまた観にいらしてください。本日は、本当にどうもありがとうございました。※ フォローして頂けると、私は泣いて喜びます。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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