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【恋と愛の違い】を現役プロ心理カウンセラーが語ります。偉そうでゴメンなさいね。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「恋と愛の違い」というテーマでお話ししたいと思います。

私は、小学校の終わりごろから、ほぼ毎日、日記を書いています。
もう、かれこれ50年以上書いていると言っていいでしょう。
最初は、小さなノートに日記を書いていました。

中学校にあがったとき、初めて、日記帳なるものを買ったのですが、その日記帳の冒頭数ページに、「人生とは何か?」「愛とは何か?」「恋とは何か?」なるものが書かれてあり、私はそのとき、うんと考えさせられ、その頃からずっと50年以上、哲学的な問いを自分に向け、恋と愛の違いについても、考え続けてきた…という経緯があります。

辞書を引くと、「恋とは、特定の人に強く惹かれること。また、切ないまでに深く思いを寄せること」と出てきます。いっぽう、「愛とは、特定の人を愛(いと)しいと思う心。互いに相手を慕う情(なさけ)」と出てきます。

今日はここで、皆さんに、
恋と愛にまつわる名言」を、いくつかご紹介したいと思います。

愛とは、育てなくてはいけない花のようなもの
英国のカリスマ的なロックバンド「ザ・ビートルズ」のメンバーであるジョン・レノンさんが、オノ・ヨーコさんとの運命的な出会いを経験したことで生まれた言葉です。本当の愛は育てていくものであり、そのためには時間をかけて努力を続けることが大事だということが分かります。

続いて、「愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである
小説「星の王子さま」の作者で有名な、フランスの作家、サン=テグジュペリさんの名言です。「同じ方向を見つめる」とは、価値観が違う他人同士が歩み寄る努力や、一緒に掲げた未来の目標や夢を、共に叶えることを意味しているのかもしれません。

続いて、「恋とは自分本位のもの。愛とは相手本位のもの
シンガーソングライター美輪明宏さんの言葉です。彼は「恋は奪うもの、愛は与えるもの」とも言い続けています。恋愛は、自分の気持ちに気を取られてしまい、ドキドキしたり不安になったりするものです。しかし、自分よりも相手のことを思いやれる関係である場合、そこには愛があると言えるでしょう。

続いて、「確実に幸福な人となるただ一つの道は、人を愛することだ
ロシアの小説家・思想家トルストイさんの言葉です。自分が愛されたかったら、まず人を愛することから始めましょう、という意味です。恋愛に関わらず、他人と深い人間関係を築くためには、相手に何かを望むよりも前に、自分から相手に与えることが大事なのかもしれません。

その他、恋と愛の違いについては、
いろんな人が、いろんな所で、いろんなことを言っています。

。最初は自分にないものを相手が持っていることに憧れ、その後自分と同じ部分を探していくもの。
。最初は自分と同じ匂いを感じ、そのあと違う部分を含め、好きになるもの。

つまり、恋は長所の部分だけを見て「好きだ」と判断するもので、愛は短所までも好きになる…と言うことです。

奪うのが「恋」、与えるのが「愛」。
すぐに消えてしまうのが「恋」、ずっと残り続けるのが「愛」。

伝えるのに悩むのが「恋」、伝えなくても伝わるのが「愛」。
一人でも成立してしまうのが「恋」、二人必要なのが「愛」。

一瞬で生まれるのが「恋」、一生育んでいくのが「愛」。
叶わない事もあるのが「恋」、叶える事が「愛」。

理由を作って会うのは「恋」、理由もなく会うのが「愛」。
相手の嫌な部分を見ないのが「恋」、すべてを受け入れるのが「愛」。

続いて、どんどん進めていきます。

恋は自分のため、愛は相手のため。
相手からして欲しいと思う気持ちが恋、相手の立場に立ってしてあげたいのが愛。恋することに努力は要らないが、愛することには忍耐や決意などの努力がいる。
ドキドキするのは恋、心地良く感じるのは愛。
見返りを求めるのが恋、求めないのが愛。
許せないのは恋、許せるのは愛。
受け取るのが恋、与えるのが愛。
責任を問われないのが恋、責任を伴うのが愛。
字の如く、下心があるのが恋。真心があるのが愛。

ここまでお読みいただき、どうもありがとうございます。

ではここで、心理カウンセラーの私(竹内成彦)から見た「恋と愛の違い」についてお話しましょう。

恋と愛の違い、その1。
条件付きか、条件付きでないか?
恋も愛も相手があってこそ生まれてくる感情ですが、求めているものは大きく違います。恋の場合、容姿、性格、職業など「容姿が美しい」、「性格がいい」、「歌を歌っているところが素敵」など、プラスの条件がそろっているときに、相手を好きと感じるという特徴があります。それに対して、愛の場合は、プラスの条件を求めないという、「無条件の愛」という特徴があります。

恋と愛の違い、その2。
自分に関心が向いているか、相手に関心が向いているか?
恋においては、恋をしている自分、ドキドキしている自分に関心が向いているが、愛は、相手自体、相手の幸せに関心が向いている…という点が違います。さらに言えば、恋には自分の幸せを望み、愛には相手の幸せを望むという特徴があります。

恋と愛の違い、その3。
恋は堕ちるもの、愛は作られるもの。
恋は、一瞬で堕ちることが多いのに対し、愛には比較的長い時間をかけて作られていく…という特徴があります。そう、恋は、一目ぼれすることがありますが、愛は、一目ぼれすることは少ないということです。ただ例外はあって、たとえば、子どもを産んだばかりのお母さんは、産まれてきた我が子を見て、一瞬で愛を作ることでしょう。

恋と愛の違い、その4。
生理的反応が起こるか否か?
要するに、恋は心臓がドキドキするが、愛は心臓がドキドキしたりはしないということです。ただ例外はあって、歌にもありましたが、「まだ君に恋している」というように、長年連れ添った夫婦でも、愛情と共に、「今も恋してる」という気持ちを持つ人は、いらっしゃるかと思います。

恋と愛の違い、その5。
恋は感情、愛は能力。
恋は欲求や衝動といった感情的な側面が強いのに対し、愛は能力的な側面が強いということが、特徴として挙げられます。恋は、感情の高揚ですが、愛は、相手の喜びを実現させようとする行為です。よって、愛には、ある一定以上の能力が要求されます。能力がないと、相手を喜ばせることが出来ないからです。そういった意味から言えば、「恋は誰にでも出来るが、愛は誰にでも出来るわけではない」ということが言えるでしょう。

テレビを観ていて、アイドルに恋することは誰にでも出来ますが、アイドルを幸せにしようと思ったら、それ相応の能力が必要です。そして、能力を身につけるためには、時間やお金や労力がかかるというわけです。

以上です。
以上の5つが、私(竹内成彦)が思う、恋と愛の違いです。

「恋人から電話がかかって来るのではないか」とスマホを握りしめ、胸を高鳴らせている姿は、恋しているとは言えますが、愛しているとは言えません。何故なら、そのような行為は、相手の幸せに、少しも寄与してないからです。
いくら本人が「この気持ちは恋なんかじゃない。愛なんだ。私は彼を愛しているのだ」と気張ったところで、その気持ちは儚(はかな)く、決して愛とは呼べないでしょう。

最後の最後に、「恋と愛の違い」、今現在の私(竹内成彦)の最終結論です。
恋は、心臓ドキドキの生理反応と、「好き!」っという感情であり、自分でコントロールしにくいもの。いっぽう、愛は、「相手がどうしたら幸せになるだろうか?」という思考と、相手を援助する行為によって成立するものであり、自分でコントロールできるものです。

もう1度言います。
恋は、生理反応と感情で、コントールしにくいもの。
愛は、思考と行為で、コントロールするもの出来るものです。

いかがでしょう。
皆さんは、何かに恋していますか?
そして、皆さんには、愛するものがありますか?

というわけで、今日は以上です。
私に会いたい人は、ぜひカウンセリングにお越し下さい。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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